翔「ねえ、鋼」
鋼「ん、どうした?」
翔「もし俺がさ、もしだよ?俺が鋼の事を嫌いに
なったり、鋼から離れるって言ったらどうする?」
鋼「ん〜どうするって言われてもなぁ〜
会いに行く、かな。それか、探しに行く。」
翔「え?」
鋼「え?だって…………」
翔「だって…………?」
鋼「だって、俺の相棒は翔だけだから!!」
そうか。だからなのか。だから滝焔は、俺の為に、
俺なんかの為にあんなに頑張れるのか。
俺なんかの為に、相棒とまた肩を
並べたいって事のために。
これまでずっと一緒だったのに。
出会った時からずっと、同じ時間を過ごしてきたのに。
俺は浅はか過ぎたんだ。
鋼に対しても、滝焔に対しても。
鋼「はぁっ、はぁっ……………うっ………ぅ……………」
羽「オイオイ!どうしたんだあ、坊主!
まだ本気じゃねえのかあ!?」
鋼「………………ッ!」
何だ。滝焔の様子が明らかにおかしい。周囲に
不自然な風が起こって………………
羽「おいおい聞いてねえぞ坊主!!殺り合うんなら
最初から本気出せよなあ!?」
違う。あれは、新しい技とかそんな
巫山戯たもんじゃない。
滝焔の、目の色が変わった。
でも、鬼車を使う時の目の色と明らかに違う。
そんな曖昧じゃなくて、もっとはっきりとした…………
そう……………あれは……………………
翔「………………………ッ!」
―――――――――――――――――蒼だ。
滝焔の目は、蒼く、そう蒼く、鈍く光を放っている。
俺が滝焔の"変化"に気づいた時、ある事が同時に、
"2つ"起きた。それも、有り得ないな事。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!