第75話

充分
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2026/08/19 04:06 更新
 突然、寺坂くんがクラス全員をを暗殺の作戦に誘った。舞台はプール。
「急にそんなこと言われて、はいそうですかってついて行くかよ!」
 前原くんがそう言う。多分、みんな同じ気持ちなのかな。…私を別として。
「じゃあ賞金の百億は俺が全部貰うぜ」
 その言葉に反応する人達が居た。第二の刃を育てたとはいっても、お金は欲しいもの。
「…いいよ。私は、行く」
 私の言葉に、みんながビックリする。寺坂くんも予想していなかったようだ。
「嫌な予感がするんだ」
 1番、心配そうな顔をしていた磯貝くんに、こっそりそう言った。
 結局カルマくん以外の全員が寺坂くんの指示でプールに入った。
 カルマくんはまあ、来ないと思っていたけれど。
 暫くして、殺せんせーと寺坂くんが喋り出す。遠いいから声は聞こえないけど、何とかして唇を読む。
 やっぱり、なにかおかしい。
 寺坂くんが銃を打った時、ダムが崩壊した。
 この先は滝。他の生徒が落ちたら確実に死ぬ。
 そう思った時、見ると殺せんせーが他の生徒を救出してた。なら心配ないかと陸に上がった。
 陸に上がってからは、みんなを心配して言葉を飛ばす。
「足挫いたりしてない!?怪我した人や体調悪くなった人は直ぐに言って!」
 パッと見、みんな怪我とかして無さそう。でも、寺坂くんに言ってやりたい。ふざけないでって。
 と思った刹那、体が勝手に寺坂くんに近寄ってビンタした。
 バチン!
 と、音が響く。今がチャンスだと思って、まくし立てた。
「知らなかった!?ふざけないでよ!シロに仄めかされたんでしょう!?あの人が立てる計画は、ロクなものじゃない、人の命なんて、存在ないんて…ただの殺せんせーターゲットを殺すためだけの駒としか思ってないんだから!」
 私は怒ったりしない、声を荒らげることなんてもってのほか。
 みんな勝手にそう思っている。けど、殺し屋だからこそ、人の命の重みを知ってる。人の命なんて、簡単に奪えることを知ってる。
 暫くすると、カルマくんが到着した。あとは任せたよと、足を挫いたり、少し切ってしまったクラスメイトの手当てに回る。
 寺坂くんは、吹っ切れたような顔でただ一言。
「カルマ、てめぇが俺を操ってみせろよ」
 その声を、背中だとしても聴けたから、もう充分。

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