廃屋に近い、小さな書庫のような空間。
鹿野さんがかつて使っていたという私物の保管場所。
蛍光灯の光がちらつき、ほこりを含んだ空気が舞う中、
四人はそれぞれ無言で資料棚を漁っていた。
光輝が分厚いバインダーを机に置いた。
ファイルの背表紙に、マークが書いてあった。
私は無言のまま、隣に積まれていた小箱を開けた。
中には手帳、メモ帳、古いカセットテープ__
今じゃ使われないようなものばっか。
その横で気になるものを見つけた。
壁際の古い木の棚が不自然なことに気がついた。
湧くんが立ち上がり、棚を横からのぞき込む。
光輝が小さなライトで照らすと、薄い板が浮いてる。
小さな引っかかりを外すと、
そこから出てきたのは封筒だった。紙は少し湿っていて、封は切られていない。
表には、震えるような文字でこう記されていた。
『見た者へ。もしこれを読んでいるなら__』
四人がその場で息をのむ。
封を開けると、そこには__
数枚の写真、
泥にまみれた靴のスケッチ、
“R.N”というイニシャルが書かれたメモ、
そして、手書きの地図
光成が封筒の中から数枚の写真を取り出した。
そのうちの一枚__泥にまみれた靴の写真を目にした瞬間、
手が、ビクッと小さく震えた。
光輝が目をまんまるにして顔を上げた。
湧も息を呑み、その様子を表情変えずにじっと見つめる。
震える手で写真を持ちながら
光成が写真を裏返して、そこに手書きで記された文字を読んだ。
発見日:9月28日
場所:新宿区・空き地裏
光輝が手帳にメモを取りながら、低く呟いた。
声が、苦しくて揺れる。
湧がそっと一歩近づいた。
空気が一段と張り詰める。
そして私は写真を見つめながら、そっと呟いた。
その声は、誰にも答えられないまま、記憶だけが漂っていた。
もしかしたら、描き直すかもですт т










編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!