第39話

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2026/02/18 12:00 更新


廃屋に近い、小さな書庫のような空間。


鹿野さんがかつて使っていたという私物の保管場所。















蛍光灯の光がちらつき、ほこりを含んだ空気が舞う中、


四人はそれぞれ無言で資料棚を漁っていた。


















光輝
....なんか書いてる
光輝が分厚いバインダーを机に置いた。









ファイルの背表紙に、マークが書いてあった。









光成
それ、前にあなたが見つけたリングノートと同じ印、











私は無言のまま、隣に積まれていた小箱を開けた。




中には手帳、メモ帳、古いカセットテープ__




今じゃ使われないようなものばっか。










その横で気になるものを見つけた。









あなた
….ねえ





壁際の古い木の棚が不自然なことに気がついた。





あなた
この棚の奥、おかしくない?仕切り板、途中で切れてる。




















あなた
....気のせい、かな?





….隠しスペースか?





湧くんが立ち上がり、棚を横からのぞき込む。


光輝が小さなライトで照らすと、薄い板が浮いてる。




光成
抜けるじゃん、これ。__光輝、手貸して




小さな引っかかりを外すと、



そこから出てきたのは封筒だった。紙は少し湿っていて、封は切られていない。



表には、震えるような文字でこう記されていた。



















『見た者へ。もしこれを読んでいるなら__』



















四人がその場で息をのむ。









光成
….開けていい?





あなた
…うん、

封を開けると、そこには__














数枚の写真、

泥にまみれた靴のスケッチ、

“R.N”というイニシャルが書かれたメモ、

そして、手書きの地図













光輝
これ…鹿野さんが事件当日に書き残したものかもしれない





光成が封筒の中から数枚の写真を取り出した。

そのうちの一枚__泥にまみれた靴の写真を目にした瞬間、

手が、ビクッと小さく震えた。

あなた
…….っこれ…..




















あなた
..これ…..お母さんの靴….!





光輝が目をまんまるにして顔を上げた。


湧も息を呑み、その様子を表情変えずにじっと見つめる。




あなた
事故のときに無くなったって…一足丸ごと見つかってないって聞いてた….



光成
ってことは、今出てきたこれは….片方ってこと?



















光成
じゃあ、もう一つの方は…..?


















光輝
__誰かが持ってる。ずっと、証拠を隠すために












俺、ずっと思ってた。
なんで鹿野さん、あの時あんなに必死だったんだろうって。





….理由これ?証拠、守ろうとしてたとか


震える手で写真を持ちながら
あなた
….ママは、誰かに狙われてたんじゃなくて、
…..何かを知ってしまったから….消されたんだ










あなた
間違いない….この刺繍..小さい頃、ママが自分で縫ってた。






あなた
靴だけ見つからなかったんだよ、事故現場から

光成が写真を裏返して、そこに手書きで記された文字を読んだ。




発見日:9月28日 

場所:新宿区・空き地裏









光成
9月28日…新宿….
光輝
….これ、鹿野さんが見つけたんだな

光輝が手帳にメモを取りながら、低く呟いた。
光輝
ということは__あなたの偽名さんは、やっぱり事件に何か関わりがあった可能性がある










あなた
で、でもお母さんは….何も言ってなかった…よ、


声が、苦しくて揺れる。


湧がそっと一歩近づいた。
言えなかったんだよ。
誰かに知られたら、危険だって分かってたから





光成
…この靴が見つかった場所。
その地図に書かれた橋の近くかもしれない。
一回、現場確認しよ、





光成
一回、現場確認しよ





空気が一段と張り詰める。



そして私は写真を見つめながら、そっと呟いた。














あなた
….ママ、あの日、何を見たの…?















その声は、誰にも答えられないまま、記憶だけが漂っていた。





























もしかしたら、描き直すかもですт т

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