クズハは不貞腐れた子供のように、そっぽを向いた
そう言ってクズハはお行儀悪く
椅子の上で足をブラブラさせる
わたしはギュッと目を瞑り、膝の上で拳を握りしめて
声を絞り出した
目をグルグルさせて復唱するわたしに
クズハはポリポリと頬を掻く
クズハは赤色の目をくるりと動かして窓の外を見ると、
窓を開けて身を乗り出した
慌ててクズハの服の裾を引く
ネロに並んで窓から身を乗り出すと、
隣接している男子寮の方に目を向けた
屋根裏部屋の窓は高くて見晴らしがいいが、
次のない夜に遠くのものを視認するのは、流石に無理がある
無詠唱で遠視と暗視の魔術を使用した
この術は透視ではないので障害物があると使用はできない
なので窓から身を乗り出す必要がある
……クズハの言う通りだ……男子寮の庭に、誰かいる……
その人物は頭からフード付きマントを被っており
顔は見えない
ただ、フードの隙間から髪がチラチラと
揺れているのが見えた
その時、強い風が吹いて、フードが外れる
この位置からはその人物の後頭部しか見えない
すぐにその人物の後頭部の縦横比を目に焼き付けた
その人物が足を止めてフードを被り直すと、また風が吹いた
風によってマントの下の服が少し覗く
マントの下に身に着けている服は立派なフロックコートだ
その胴体と足の長さを目視で測っていると
その人物は男子寮の庭を突っ切って、建物の角に消えていく
クズハが眉間にシワを寄せて、目を細めた
顎に指を当てて、目を閉じる
頭の中では、めまぐるしい速さで数字が行き交っている
その数字が、わたしに一つの真実を教えてくれる
ネロ→クズハに修正しました!













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。