side 廉
2020年5月23日
突如始まった7人のグループ通話
『もしもぉーし』
平野「かぐ眠いの?」
『論文読んでたら2日経ってた』
勇太「どんだけ論文読んでたの(笑)」
『面白かったからのめり込んじゃって(笑)』
海人「なんていう論文?」
『湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察Ⅲ』
岸「ごめん全然わかんねぇ」
『QuizKnockのYouTubeで見て面白そうだなと思って読んだら想像以上に面白くて』
玄樹「ちゃんと寝なよ?」
『わかってるよ(笑)
って…廉?』
俺が不貞腐れた表情をしていることにに最初に気づいたのはかぐやった
「なんやねん」
平野「なにそんな不貞腐れた顔してんの」
「なぁ、かぐ」
『ん…?』
「お前なんでピアス開けとんねん」
かぐの耳に付いているのは間違いなくピアスやった
『え?廉に言ってなかったっけ?』
そのかぐの返答に俺の脳はフリーズした
"廉に言ってなかったっけ"?
ってことは…
「みんな知っとったん?」
岸「え?知ってたけど」
平野「聞いてなかったの?」
玄樹「かぐ言ってなかったの?」
『あれ?送ったはずなんだけどな…』
その言葉に俺はどんどん不機嫌になっていく
勇太「デビュー日なのに廉が怒っちゃったよ(笑)」
海人「顔が怖いよ?廉(笑)」
当たり前やろ?
なんでメンバー全員には教えて俺には教えへんかったん?
『なぁ、廉』
「…なんやねん」
『不貞腐れんとってや』
俺と紫耀以外のメンバーの前では全くと言っていいほど使わない関西弁で話すかぐ。
『さっきはああ言ったけど、廉にはあえて教えへんかったんやで?』
「…は?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。