第2話

獅子座流星群の約束 - 星の将官
1,746
2022/06/04 07:09
群青色の空に流星群。

あの日の約束。

今でも鮮明に思い出せる。

約束のブレスレットを握りしめて、大きく息を吸った。
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一同、整列!
知らない内に出るようになった大声。

こうでもしないと私はここにいられない。

『星の将軍』

この国を護る為に声を上げ戦う。
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ありがとうございました__!
練習が一通り終わった所で号令をする。
帰ってきた返事は私の声よりも何十倍と大きかった。
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___解散!
其の声を聞いた軍人はそれぞれの好きなように広がってゆく。
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一歌ちゃん、お疲れ様。
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۞
おつかれ。
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穂波…志歩…お疲れ様。
昔からの幼なじみは未だ変わらず居てくれた。
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あっ、そうだ。咲希ちゃんが一歌ちゃんと話したい事があるから庭園に来て欲しいって言ってたよ。
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‪✯‬
え…咲希が?
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そうなの。でも…なんだか咲希ちゃん、凄く楽しそうにしてたよ
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۞
へぇ…咲希が。いい事でもあったのかな。
私だけ状況を掴めていない中、穂波と志歩は笑いながら言ってきた。
۞
۞
ほら、一歌。行ってきなよ。
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咲希ちゃん待たせちゃダメだよ?
私を急かす2人は私の肩をぽん、と叩いて私を送り出した。






























コツ…コツ……と音がなるレンガの小道を抜けると、椅子に座った咲希が居た。
‎   𖤐
‎ 𖤐
あっ、いっちゃん!
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‪✯‬
どんな御用件でしょうか。咲希様
‎   𖤐
‎ 𖤐
ふふっ、そんな堅苦しく無くていいって言ったよね?
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‪✯‬
…ごめん
苦笑しながら「髪型、昔のとそっくり。」なんて言ったら、
彼女は満面の笑みで「でしょでしょ ~ !」なんて笑って見せていた。
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体はもう……大丈夫なの?
‎   𖤐
‎ 𖤐
うん。ただ、長時間の運動はダメだーって。
‎   𖤐
‎ 𖤐
この前コケちゃって、お兄ちゃんに釘刺されちゃったよ ~ 
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‪✯‬
ふふっ、そっかぁ。
ここで話が逸れてきているのに気がついて、咲希に聞いた。
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‪✯‬
で、話したい事って何?
そう聞くと、咲希は何かを決心したように自信の笑みで口を開いた。
‎   𖤐
‎ 𖤐
アタシね______
















‎   𖤐
‎ 𖤐
自由に外に出入りできるようになったの。
‪✯‬
‪✯‬
へ、?
思っていた以上に嬉しくて、「あぁ、本当に良くなったんだな」って思った。
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‪✯‬
……ホントに…?
‎   𖤐
‎ 𖤐
いっちゃん泣いちゃってるよ……そうだよ。ホントだよ!
知らない間に

私達は成長している。

病気も、声も、身長だって伸びたし、できるようになったことも数え切れない程ある。


だからこそ、変わらないものがこんなにも素敵だと気がつけた私達は__






きっと大切が増えてゆくんだなって、

ギュッと唇を噛んで、心から思った。

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