薄れゆく意識に刺さる喧噪。
すごく久しぶりに感じる人の声。
勢いよく近づいてきた足音が
僕の前で止まる。
その瞬間、右腕にもの凄い力が加えられる。
喘ぐ声など聞こえないかのように
力は弱められる気配もない。
片手でそのまま腕をへし折ってしまいそうな、
そしてそれを一切躊躇しないような、
あまりにも野蛮な力だった。
掴まれた部分だけを支柱として
体が持ち上げられる。
首が頭を支えられず
ぐったりと前に落ちる。
落ちた顔を前に向けるように
顎に指が添えられる。
開けなければ殺す、とでも言うような声に
重たい瞼をむりやり上に持ち上げる。
霞んだ視界に人の顔らしきものがぼやけて映る。
そっと運ぼうなどという配慮の一切ない
乱暴な手つきで
肩の上にかつぎ上げられ、
ひっくり返った視界を最後に意識は途切れた。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。