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第27話

困惑
51
2021/04/09 12:00
レイ
……ごめん
ゆい
…!?
レイは私の体を腰からぐっと引き寄せると、

息がかかるほどの距離で言った。
ゆい
…何、するの
レイ
ごめん
体を離し、またぽつりと呟いた。
ゆい
……か、帰って
レイ
ごめん
ゆい
何が…っ///
引いた私の手は握ったまま、

向かいで寂しそうに下で目を泳がせるレイ。
どうしても憎めなくなる。

そもそも、一生を誓った相手を見捨てたような人。

そんな人を好きになる私自体がおかしい。
ゆい
ラナ!
お手伝いさん
っはい、お嬢様
お手伝いさん
何か御用です…
ゆい
レイを連れてって
レイ
優衣…!
ゆい
……今は帰って
レイ
私が自ら握られた手を離すと、

レイはその手を拳に握って、

何も言わないまま踵を返して行った
お手伝いさん
だ、旦那様お待ちを…っ
ゆい
良いわラナ
お手伝いさん
いえ、お部屋にお連れし…
ゆい
ふふ笑
一人で帰れるわよ

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