あの後、ローさんに「しばらく寝てろ」と言われ
これからどうしようか悩みつつ
私はそのまま眠りについた。
私は再び目を開けると、船員だと思うが
椅子に座って私の方を見ていた
私はゆっくり体を起こそうとすると
船員?さんが背中を支えて
座らしてくれた
あっ、ローさん…だっけ
やっぱりキャプテンってこの人の事だったんだ。
彼は私を鋭い目付きで視線を向けると
そのまま扉の方へと足を運び
医務室を出ていった
ついて行くしかないって事か…
私はそのまま立ち上がると
ローさんの後について、周りをキョロキョロ
見渡しながら小走りで着いて行った
タタタ…
…この人、足が長いからか
小走りしないと置いていかれそう
タタタ…
起きたてだからか
足にしっかりと力が入らなくて
足をとられて、そのまま倒れ込みそうになった
……
……ん?
あれ…
彼は私の腕を掴み、コケる寸前で
支えてくれていた
彼はそう言うと、私を元の体勢に戻すと
また歩き出した。
…足が早くてついていけないから
こうなった訳なんだけどね…
あれ…さっきよりも歩くスピードが…
下がってる?
まさか…気遣ってくれてるの?
…よく分からない人だな。
けど…優しい人、なのかな?
私は少し嬉しさもありつつ
そのまま彼に着いて行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!