これが帰省後数秒後の会話。
これがうちのお父さんで声の声量がおかしく、いつ
もなんかうるさい。
今回は、「いやお前が悪いだろ」って意見を受け
付けないこととする。
そう。
うちのお父さんは"加賀美ハヤト"と言う名を持った
"くろのわ"の所属するモデル事務所の社長である。
どうやらその社長室へと帰ってきてしまったらしい。
コンコン
ガチャ
社長室へと入ってきたのはお父さんの秘書を務める
甲斐田晴という人だった。
子供の頃は、よく遊び相手をしてもらっていた記憶
がある。
まじかこの人…、
そう問えば、"そういえば!"というような表情が
返ってくる。
そう言って優雅にいだはるが持ってきたコーヒーを
飲んでいる。
今の言い方はそう聞き返したくなるような返し
だったって。
まぁややこしい話なんだけど、
お父さんと一緒に住んでいたのは小学校に上がる
前で、
お父さんの家で過ごしてたのもその時間だけだ。
何故かっていうと、
お母さんが事故で亡くなったから。
うちの両親は事実婚で俺の姓はお母さんの方。
だからお父さんとは姓が違う。
お母さんが死んだときに、
お父さんのことをよく思ってないおばあちゃんたちが
それを理由にお父さんと俺を離れさせた。
それからも顔を合わせる機会はあったけどお父さん
の家に帰ったことはない。
だから久しぶりの帰省。
帰省というかも怪しいけど。
その返事を聞いて安心して部屋を出る。
事務所から出る途中、好奇の目線が全身を刺して
いるが気にしない。
まぁ社長に子供いるとか知ってる人少ないだろうし、
俺が誰なのか気になって仕方ないんだろう。
家の前につき、
お父さんから受け取ったカードキーをかざす。
懐かしの我が家だ。
20年ぶりほどの光景に懐かしさを覚える。
しばらく家の中を探索して、変わらない自分の部屋
に荷物を置き、リビングのソファに戻る。
一息つけばどっと疲れを感じて、伸びをする。
朝から家事して、マネさんと押し問答して、テレビ
撮影に出て、実家帰って…、
そんなことを考える間にも少しずつ瞼が下がって
きて、諦めてソファの上で横になる。
そのまま眠りについた。
1329













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!