第9話

Ep.8
217
2023/11/11 12:13
僕たちが二人きりになった時、

時計はもう夜の9時を示していた
あなた
あなた
ごめんなさい、
あなた
あなた
ミアさんと長く話しすぎちゃったみたい
グク
グク
全然大丈夫です

まあ、ほんとはちょっと寂しかったけどね


そんな気持ちがあなたにバレないように

僕は話題を変え、

あの時ミアさんはなんと言っていたのか聞いてみた
あなた
あなた
あぁ、
あなた
あなた
なんか、ミアさんはジョングクさんが私の彼氏だと思ったみたいで
あなた
あなた
それであんなにジョングクさんのこと見つめてたみたいですㅎㅎ
グク
グク
あ~そうなんだㅎㅎ

勘違いでも、

あなたの彼氏だと思ってもらえたことが嬉しくて

少しにやけてしまう

あなたにバレてしまわないように

口元を手で隠した



だけど、あなたはなんとも思ってないみたい

僕にはまだ興味を持ってないみたいだ

少し悲しいけど、

まだ出会ったばかりだからしょうがない



あなた
あなた
昨日、仕事間に合いましたか?
僕が頭の中で一喜一憂していると

あなたがそんな質問を投げかけてきた

ああ、そっか昨日あなたの目の前で

ジンヒョンから電話がかかってきて

電話越しにめっちゃくちゃキレられたんだった


今思い返すとちょっと恥ずかしかった

しかもその後無理やりあなたと連絡先交換しちゃったし…

はぁ、ほんと何してんだろ

昨日の失態を思い返し、

一人ため息をついていると
あなた
あなた
もしかして、間に合いませんでした…?
あなた
あなた
なんか…ごめんなさい
あなた
あなた
私が長々と語っちゃったせいで、、

と、あなたは僕に

申し訳無さそうな視線を向けた
グク
グク
あ、全然間に合いましたよ!
グク
グク
だから…謝らないでください
あなた
あなた
そうなんですか…?
あなた
あなた
なら、良かったです

そう言ってあなたは僕に優しく微笑んだ


グク
グク
(また変な心配かけちゃったかな…)

あなたに気にかけてもらってばかりの自分に

不甲斐なさを感じた


こんな僕でも

あなたがいつか

好きになってくれる日が来るのかな




グク
グク
早く、来てほしいな…
あなた
あなた
へ?
あなた
あなた
なんか言いました?
グク
グク
なんでもないよㅎ

そんな僕の儚い願いは

甘くて、
少しほろ苦い

カクテルの匂いに包まれて

僕とあなた二人だけの空間に
シュワシュワ溶けて消えていった

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