第2話

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2025/07/29 23:35 更新
第1話「いつもの今日が、愛おしい」




ライブから数日後。
いつもの朝。
けれど、ほんの少しだけ違うのは──隣にいる彼の歩幅と、呼吸が、やけに心地いいってこと。
















ハルト
ハルト
…なんか、静かすぎん?












建物の影に差しかかるその瞬間、ぴたりと足を止めたのは、ハルトだった。
私は隣で笑いながら振り返る。




















(なまえ)
あなた
さっきまであんなに喋ってたのに、いきなり静かにするのやめて?
ハルト
ハルト
いや、……なんか“ふつう”なのが変やなって思っただけ。
(なまえ)
あなた
ふつう、が変って、どゆこと?
ハルト
ハルト
……前は、隣に誰かおるとか考えられへんかったから。












その言葉に、思わずりおは立ち止まった。
でも次の瞬間──
























ジフン
ジフン
うわっ、またイチャついてる〜!!

















背後から大きな声が飛んできた。
振り返ると、両手を広げてニヤニヤしてるジフンの姿。



















ジフン
ジフン
はいはい注目〜!トゥメのみなさん!“タルト”並んでスタジオ向かってまーす!
(なまえ)
あなた
ちょ、やめてってば!!
ハルト
ハルト
……うるさい。

















2人が同時に突っ込むと、ジフンは「ハイ、息ぴったり〜!」と拍手して去っていく。


私は恥ずかしさを噛み締めながら、そっとハルトをチラ見。

──だけど彼は、いつもの無表情の中に、少しだけ笑みを忍ばせていた。



























スタジオ到着。
今日はYouTube撮影の打ち合わせと、次の収録に向けた準備日。

私がメイク室で準備をしていると、ヨシがふらっと現れた。






















ヨシ
ヨシ
お、あなた〜。こないだの、トゥメがバチバチに反応してる件について、何か言いたいことありますか?
(なまえ)
あなた
いやいや、あれただの鼻歌やし!!笑
ヨシ
ヨシ
鼻歌にしては破壊力すごかったけどな。コメント欄『スポじゃね?』『もう曲にして?』で埋まってたし
(なまえ)
あなた
……ほんとすみませんでした💦


















2人で笑い合ったそのとき──スタッフが機材の確認で呼びにくる。
ハルトとジフンも合流し、控室は一気ににぎやかに。






















ヨシ
ヨシ
てかあなた、インスタに載せてた銀テストラップ、センス良すぎん? ファンがマネして作ってたよ!
(なまえ)
あなた
え、うそ……!嬉しい!
ヨシ
ヨシ
なんならジフナもマネして作ってたよな?
ジフン
ジフン
いや、あれは……俺のは“タル成分多めver.”やし
ヨシ
ヨシ
はいはい、#ジフタルでね(笑)















そんなやりとりの中、ふとハルトがぼそっと言う。

















ハルト
ハルト
……次のライブ、また一緒にやれたらええな。
















そのひとことに、あなたの胸が不意に高鳴る。
声に出すことはできなかったけど、私はうなずいた。

























その夜。
自室で作業中の私は、メモ帳を開く。

さっきのハルトの言葉が、何度もリフレインしていた。
何かを書き留めたくて、言葉にならない想いを、ただ音のかけらとして重ねていく。

すると──

































 

📩「ヨシ:さっきのやつ、曲にしてみる?」




















スマホに届いたそのメッセージを見て、私は一呼吸置いてから打ち込んだ。





























📩「……やってみたいかも」

























 

画面の向こう、どんな未来が待ってるかは分からないけど。
今、ひとつだけ確かなのは──

“いつもの今日”が、すごく愛おしいってこと。

 



































【To be continued…】

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