第13話

11.
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2024/04/02 00:28



レオリオ
チッ!
またマラソンだぜ…。
クラピカ
しかも、今度は湿原だ
足元がぬかるんでいる分、
体力が奪われるぞ!
 
長い長いトンネルを抜け、1次試験を無事
突破した私達は、2次試験会場へと繋がる道
ヌメーレ湿原へと足を踏み入れた。

湿原地帯なため、もちろんのこと
地面はぬかるんでおり、足場は私が最も
好まない状態で、気分がなかなか晴れない。



サトツ
いいですか?
しっかり、私の後についてきて下さい。

クラピカ
一段と霧が濃くなってきたな…。




走り始めて、しばらくした後
先程まで晴れていた霧は、再び深く
目の前を濃くしていき、視界を奪っていく。



ゴン
レオリオ! クラピカ!
お姉さん!




少し先から、ゴンであろう
声が聞こえる。



ゴン
キルアが、前の方に来てた方がいいってさ!




その言葉に、レオリオさんが大きく反応する。



レオリオ
どアホォッ!!
行けるもんなら、
とっくに行ってるわァァい!!
クラピカ
構わず、先に行け!




確かに、ゴンの言う通り
霧が濃くなってきた様な気がする。


それに、あのヒソカとかいう男の
オーラがどうにも気に食わないというか…
気持ち悪いっていうか……。


丁度、まだ体力も余っているため
それらの心配が重なり、私は二人に告げる。



You
……私、心配なのでゴン達の所に行ってみます。
 
クラピカ
! 分かった…。
シュリも気をつけてくれ。
レオリオ
シュリ、安心しろォ!!
オレ達も後で追いつくからよォッ!!




何故か、レオリオさんは安心させるかのように
答える。

そんな心配せずとも、私なら大丈夫ですよ…。



You
ご、ご心配…ありがとうございます。




そう軽く答えると、二人は信頼したかのような
表情で私を見送った。

出会ってまだ数時間しか経っていないのに
ここまで居心地の良いことはなかったためか、
私もつい自然と気を緩める。



そうしていると、先程よりもだんだん霧が濃くなってきて、だんだん前方の方が見えなくなってくる。


心配が重なり、私はゴン達の方へと
スピードをあげる。



ゴン
何だか、あちこちから悲鳴が聞こえてくるけど…。
キルア
油断するなってことさ。

ゴン
レオリオとクラピカ、大丈夫かな…。
それに、あのお姉さんも……。
キルア
…あの二人ならまだしも、あの女なら
多分大丈夫だと思うぜ。
 
ゴン
キルア、分かるの!?
キルア
えっ!? い、いやぁ…
わ、分かるっつーか……えっと…。
 
You
ふっ、二人共!
ゴン
あっ!
キルア
なッ!?




霧から、ゴンとキルアの姿が見え、
私は二人に声をかける。

分かりやすいように、ぎこちない程度に手を振って駆け寄るとキルアとかいう少年は顔を真っ赤にして
私を睨んできた。


私…な、何かしましたっけ。







その時だった。



You
ん?




地面が歪み、大きく音がすると床がなくなる。

それと同時に、その場にいた私達は
下へと落ちていった。




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