第11話

9.
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2024/04/06 10:23



ゴン
お先に!クラピカ!
キルア
おっさん、先行くぜ!
 
キルア
お姉さんも!
You
げっ…。




横を通り過ぎたのは、先程の2人。


てか、散々お姉さん呼ばわりされてるの
気に食わないんだけど。


レオリオ
おっさんじゃねぇ!!
俺は、まだお前らと同じ10代だ!!




レオリオの言葉に、その場が固まる。





えっ、?




キルア
えっ?
ゴン
ウソ!?
 
You
えっ、えぇぇぇっ!?
う、ウソウソウソ!だってっ…。
レオリオ
お、お前ぇっ…!!
そんな驚くことねぇだろうがッ!?
You
あっ…ご、ごめんなさい




今世紀最大の驚きに、私は大声を
あげてしまう。


ほんと、見た目で判断しちゃいけない
もんなんだな、ホント。




そんな出来事もあり、
一旦レオリオとクラピカとは別れ、
出口へと走り続けていると、先にだんだんと光が見えてくる。



受験生
出口だ!
受験生
助かった…!
受験生
ようやく、薄暗い地下からおさらばだ…!




やっと光が見え、後ろを走っている人達にも安堵の声が響き渡る。

やっと暇な時間が終わる…!


You
おーわりっ、と……!




走り終え、気を抜かすと
試験官であるサトツさんの隣で止まる。


ゴールをし、前を見ると
既にゴンとキルアはゴールをして
何かを言い合っていた最中だった。

私の存在には気づいていないらしい。



You
あの…サトツさん
サトツ
…!
何でしょうか?
 
You
あの二人、何言い合ってるんですかね?




思い切って、隣にいるサトツさんに聞いてみる。

サトツさんは、少しびっくりした後
いつもの表情に戻った。


サトツ
…いえ、私にも全く
 
You
……そうですか
聞いちゃって、すみません
サトツ
いいえ




背の高いサトツを見上げて、質問してみたけれど
サトツさん本人も分かっていないらしい。


ゴン
ねぇ、どっちが早かった?
サトツ
私の目には、同様に見えましたね
 
ゴン
そっかぁ…
じゃあ、俺がキルアにご飯奢る!
キルア
えっ?


You
あの2人、仲良いですね
サトツ
そうですね
子供は未知数です
You
え…?



ゴン
ねぇ、サトツさん
ここが2次試験会場なの?
サトツ
いいえ、まだまだ先ですよ。
ゴン
な〜んだぁ…




ゴンの質問に、サトツさんは冷静に答える。


私もてっきり、ここが2次試験会場だと思っていた。

周り何もないけど…。


そして、数分後。

霧が晴れ、だんだん視界に入ってきたのは、
走り終わったのであろう受験者達。


レオリオさんや、クラピカさんの姿も見える。


ゴン
やあ、クラピカ!
クラピカ
あぁ…ここがゴールか?
ゴン
違うってさ
 
クラピカ
そうか…
…霧が晴れてきたぞ
ゴン
あっ、ホント?




クラピカの言葉に、再び私は目の前に目の景色に目を合わせる。

そこには、辺り一面霧に覆われた湿原の様な場所だった。



サトツ
ヌメーレ湿原
通称“詐欺師のねぐら”
サトツ
2次試験会場へは、ここを通って
いかねばなりません。
 
サトツ
この湿原にしかいない、奇怪な動物たち…
サトツ
その多くが、人間をも欺いて食糧にしようとする───
サトツ
狡猾で貪欲な生き物です…
 
サトツ
十分、注意してついてきて下さい




説明し終えると、サトツさんは後ろを向き、
人差し指を立てて



サトツ
…騙されると、死にますよ




と、軽く言った。

その言葉に、周りにいた受験者の人たちから
どよめきの声が聞こえてくる。



その言葉と共に、後ろのシャッターが閉まろうとしていた。



受験生
待ってくれぇッ…!
あァアッ!!




もう少しで、辿り着きそうだった
受験者が手を伸ばしたものの、ギリギリの所でシャッターが締め降ろされる。

…運が悪すぎる……ここはお気の毒にと
答える他あるまい



サトツ
この湿原の生き物は、ありとあらゆる方法で獲物を欺き、捕食しようとします
サトツ
標的を騙して、食い物にする生物たちの生態系
  
サトツ
”詐欺師のねぐら“と呼ばれる所以です
サトツ
騙されることのないよう、しっかり
私の後をついてきて下さい




そうして、サトツさんは再び目の前に広がる
ヌメーレ湿原へと向いて言った。




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