第182話

震える手のひら【司/甘?】
390
2026/02/18 03:00 更新


* リクエスト作品
* 吸血鬼パロ 🦁ver





「痛っ……」



それは、ほんの小さな傷だった。


作業中、刃先が指を掠めて
赤い雫がじわっと浮かぶ。




「……ッ!」



すぐに、司くんの表情が
凍りつくのがわかった。


その視線は
私の指先から離れない。



「…… 、大丈夫かい?あなた」



気遣うような、
いつもと変わらない、穏やかな声。


でも、明らかに様子がおかしい。

視線は揺れて
呼吸が、浅く速い。


吸血衝動を、必死に
抑え込もうとしているのが分かった。



「司くん……大丈夫?」



思わず一歩近づくと
司くんは反射的に後ずさった。




「来ては、いけない」

「でも ─── 」




「……お願いだ、」




苦しそうに顔を伏せる。




「俺を、試さないでくれ」




それは、懇願に近かった。



私は知っている。


一度衝動が現れてしまえば
血を飲まずにそれを抑え込むには

長い時間、この苦しみに
耐え続けなければならないことを。


……私が不注意で
怪我をしてしまったせいで。



私は、もう一度彼に近づき
そっと、手を差し出した。




「いいよ、このまま」



「あなた……何を……」



「苦しいんでしょ」



その瞬間、


彼の大きな手が、私の手を包んだ。



……震えている。

いつもは、あんなに強くて
物怖じすることのない司くんが。


私の手を掴んだまま、
司くんはそっと目を閉じた。



「……だめだ」



ゆっくりと私の手を押し返す。



「君を、傷つけたくはない」



視線を逸らしながら言う。



それでも、



「……お願い。
私だって、司くんを守りたい」



司くんは、もう一度私を見た。



……迷っている。
本能と、理性の間で。



そして、

その震える手をゆっくりと伸ばし
私の肩を掴んだ。

優しいのに、逃げられない力。



「あなた……」



司くんの瞳は
苦しさと、決意で揺れていた。



大きな身体を屈ませて、
ゆっくりと距離が詰まった。


首筋に、吐息がかかる。





「……この甘さに慣れてしまったら」



「俺は、もう……戻れない」




そして
司くんの牙が、私の肌に触れた。




✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


3度目の吸血鬼パロ 。笑
司 verも!とリクエストをいただきまして🤤


そして最近 更新ペースが
ゆっくりですみません…!🙇🏻‍♀️՞


ちなみに……

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  Thank you 🔦   
   REOさーん( *´꒳`* ) いつもありがとうございます🤍
私は最近チョコを食べるのにハマってます 。笑

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