第63話

第52話 ありのままの自分で
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2024/12/17 12:21 更新



翌日




(なまえ)
あなた
……

私は教室の前で立ち止まっていた
扉の向こうに踏み出す勇気が出ず、足がすくんで動けずにいた



桜君たちの前では本当の自分を見せることができた
でも、大勢の前に出るとなると、まだ少し怖い


それでも、桜君たちは受け入れてくれた
「大丈夫だよ」って、あの優しい言葉をくれた



だから——きっと、大丈夫






(なまえ)
あなた
…よし



自分にそう言い聞かせ、深く息を吸い込む
そして、意を決して教室の扉を開けた




(なまえ)
あなた
みんなおはよ
楡井秋彦
楡井秋彦
あっ、あなたさん
おはようございm…


桜たち
「「 ! 」」





私が桜君たち5人に挨拶をすると、彼らは私の姿を見て目を見開き、驚いていた



桜遙
桜遙
あなた…それ…
柘浦大河
柘浦大河
おお、えらいイメチェンやな!
どないしたん?
桐生三輝
桐生三輝
あなたちゃんその姿で大丈夫?
人前に出るの怖いって言ってたのに…
(なまえ)
あなた
うん…
でも、本当の自分と向き合うって決めたの
(なまえ)
あなた
桜君と初めて会ってその容姿のこと聞いた時、言ってたよね?
(なまえ)
あなた
「これが俺なんだよ」って
桜遙
桜遙
…言ったな
(なまえ)
あなた
あの言葉を聞いた時、私、すごくかっこいいなって思ったの
(なまえ)
あなた
自分の見た目を隠そうともせず、堂々としている桜君の姿が、すごくかっこよくて私もいつかそんなふうになりたいって...
(なまえ)
あなた
だから、せめて街の中だけでも隠さずに、"ありのままの自分"で過ごそうかなって
「これが私なんだ」って言えるようにね
(なまえ)
あなた
まあ、でも正直、街の外でってなるとまだちょっと厳しいんだけどね
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
少しずつでいいと思うよ
いきなり無理して素の自分でいる必要も無いしね
楡井秋彦
楡井秋彦
そういうことなら良かったです( * ´o` )
桐生三輝
桐生三輝
うんうん
その姿のあなたちゃん綺麗だしね〜
柘浦大河
柘浦大河
そうやな
隠すなんてもったいない!
(なまえ)
あなた
みんな…


みんなの言葉を聞いて、胸の奥がじんわりと温かくなった
「綺麗」「もったいない」なんて言葉、私には縁遠いと思っていた
けど、みんなの表情は本当にそう思ってくれているみたいで、不思議と嬉しかった



安西
安西
お前らそんなところに固まって何してんだ?



みんなと話していると安西君が話しかけに来てくれた
安西君とよく一緒にいる高梨君、柿内君、栗田君もいた


安西
安西
何話してたんd…


高梨、柿内、栗田
「「 あ゛っ…! 」」


安西
安西
ってあれ?見たことない女子がいるな
転入生か?


安西君は普段と変わらぬ態度で、私のことに気づいていないみたいだった
高梨君たちは一瞬、何かを言いたそうに口を開きかけたけれど、目を見開いたまま固まっていた


安西
安西
そういえや、夢咲は?
まだ学校来てないみたいだけど…
(なまえ)
あなた
あ…夢咲です…
安西
安西
( ˙꒫˙ )?
楡井秋彦
楡井秋彦
あっ、え〜とですね…
こちらが夢咲あなたさんです
安西
安西
安西
安西
え゛ぇえええっ!?



安西君の驚きの声が教室中に響き渡った
その声に反応して、クラスメイト達が私たちの周りに集まってきた



クラスメイト1
どうしたどうした?
クラスメイト2
何があったんだ?
クラスメイト3
あっ!その白髪!
キールとのケンカの時にいた謎の美少女じゃん!
なんでここに?
(なまえ)
あなた
(び、美少女?)
安西
安西
こいつ夢咲なんだってよ
クラスメイト1
マジで!?
夢咲って、あの夢咲だよな?
クラスメイト2
えっ!?じゃあ、キールと戦ってた白髪の女って、夢咲だったのか!?
(なまえ)
あなた
えっと…その…
(なまえ)
あなた
はい…私です
柿内
全然気づかなかった…
高梨
てか、お前めちゃくちゃ強いんだな
あのケンカの時めちゃかっこよかった
クラスメイト1
そうそう、あの時先輩とお前が来てくれたおかげで、一気に流れが変わったんだよ!
クラスメイト2
マジ助かった、ありがとな!
(なまえ)
あなた
…!
(なまえ)
あなた
うん!
それなら良かった
栗田
てか夢咲、いつもは可愛い感じだけど、その見た目だと美人系になるんだな…
どっちもいいけど
柿内
ねっ、すごく綺麗だよね


そう言われた途端、みんながそれぞれが興味深そうに、じっくりと私を見つめていた



(なまえ)
あなた
えっと…ま、まだ、これ慣れてないから…その…//
(なまえ)
あなた
そんなに見られると恥ずかしい…かも//


クラスメイトたち
(( うぐっ…それは可愛すぎるだろ// ))


(なまえ)
あなた
(˶> <˶)՞ ՞



その後、私はみんなにも事情を説明した
みんなはとても驚いていたけれど、誰も否定することなく、自然に受け入れてくれた





今までこの見た目のせいでいじめられてきた私


そんな私が、こうして受け入れてもらえるなんて、想像すらしていなかった


戸惑いながらも優しい言葉をかけてくれるみんなの顔を見ていると、胸の奥に小さな光が灯った気がする









「この姿でも大丈夫なんだ」










そう心の中で呟きながら、私は笑顔を浮かべた


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