第213話

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2022/08/13 09:41


























あの夜は野宿して、次の朝にホテルを探した



























とは言ってもお金なんてそうは持ってない
























あの人から貰ったお金は使わないって決めてるし


























何があっても、どんなに苦しくても使わないって決めた

























いっそのこと燃やして来ればよかった


























なんて後悔しながらもホテルへ
























オンボロの一泊500円ぐらいの激安ホテルに泊まり


























何とか寒さをしのぐことにした
























(なまえ)
あなた
寒っ……



























オンボロだから隙間風が吹いてきて寒い





























でも真冬の外にいるよりかはマシだ
























(なまえ)
あなた
っ…………






















ふと目に映った綺麗な指輪



























これも……外されちゃうのかな
























グクとの思い出は……残しておけないのかな?



























グクを愛した思い出も、愛された思い出も



























私の為に懸命になってくれた日、



























死ぬことを手を上げてまで止めてくれた日

























私を長年想い続けてくれたと知ったあの日



























全部、全部、私の大事な思い出

























でも、もうグクにとっては要らない思い出なんだよね


























また……またグクに女の傷を付けてしまった

























私が心の傷を癒やしてあげなきゃいけなかったのに


























(なまえ)
あなた
ごめん…不幸にして…っ


























元から私はグクにそぐわない人なんだ



























愛する人を不幸にするぐらいなんだから……


























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