第34話

26 ともだち
390
2026/04/12 13:47 更新


mf
 どういうこと? 
hr
 …俺の、友達なんだよ。
hr
黒崎優クロサキ ユウ は前に突然変異した、友達。

mf
 …いま、その人は─── 
hr
 もう、この話はやめようよ。
mf


 そういう彼の顔は、どこか遠いところを見つめていた気がした。
 どこか、切なそうに。
 虚しく。

 
mf
 ヒロくんは、辛いかもしれない。
苦しいかもしれない。

 だけど、この情報は手放しちゃいけない気がして。
mf
 だけど、この日記がここにあるってことはなにか重要なものかもしれない
mf
ここから、出れるかもしれない。

hr
 … わかったよ 。


 俺はそう言うとヒロくんは恐る恐る口を開き始めた。

hr
 黒崎の親は、おもちゃ工場で働いてたんだ。

 
hr
 今は廃工場になったけどね。
hr
 有名な心霊スポットだよ 

hr
 そこは、表向きにはただのおもちゃ工場だったんだ 
hr
裏は人体実験だらけの工場だよ 
hr
 そんなところに子供として産まれた黒崎は実験台として扱われてた

hr
 黒崎の親は俗に言う、毒親ってやつだよ 
hr
 奴隷のように扱い、薬を与える 
そんな奴らだったんだ。
hr
 大丈夫だよなんて、笑って
このくらいなら余裕なんて言ってて
hr
俺は、なにもできなかった

hr
しばらくすると黒崎の様子がどんどんおかしくなってくのがわかった
hr
 増えていく隈、やせ細ってく体 
hr
 俺が何言っても大丈夫 って言うだけ 
hr
 …そこから数日後、学校にすら来なくなった 

mf
 この日記も、そういうこと? 

hr
 多分ね 
hr
 来なくなったところから、黒崎はどんどん突然変異していったんだと思う



 …絶句。
 口から出たのは声にならない声だった。
 慰めようもない、何も出来ない。

 どうすればいいかすら、わからない。

 黒崎という人物の人生は想像以上の苦だった。

 カニバリズムだって、黒い化け物に変わっていくのだって、すべて 。

 そう思うと 嫌悪感や吐き気が湧き上がってくる。


hr
 俺は、この博物館が嫌いだ。

mf
 …俺もだよ 

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