第4話

いいやつ。
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2023/08/15 05:32 更新
高橋優斗
おーい、『名前』さーん?聞いてますーッ?
あなた
あぁ、ご、ごめんごめんw
高橋優斗
なんかさぁ、あなた、最近ぼーっとしすぎじゃない?今のスーパープレー見逃したでしょ
あなた
え!まじかぁ、残念…!
高橋優斗
まぁ最近俺ら二人とも仕事増えたからな。疲れてるのも当たり前じゃね?
あなた
そうかも。ありがとう
高橋優斗
あれれ?w珍しく素直じゃんwそんなあなたに飲み物おごってやるよ
すみませーん!と飲み物の売り子さんを呼ぶ優斗が微笑ましい。

最近の私、なんか変だ。

気が付くとぼーっとしてて。何を考えてたのかもすぐ忘れちゃう。

優斗みたいに「疲れてるから」と割り切れる気質が欲しかった。

今日だってせっかく優斗とプロ野球のセ・パ交流戦(もちろんDeNA vs.オリックス戦!)を見に来たのに…。
高橋優斗
あなた、何がいい?ちなみに、君の好きなコーラは売り切れらしい
あなた
それじゃ、アクエリがいいかな
高橋優斗
オッケー!代金200円になります!
あなた
…えっ!おごってくれるんじゃなかったのw
高橋優斗
いやぁ、そう思ったんだけどさぁ、小銭足りなくってw俺の分も払ってくれない?w
あなた
…しょうがないなぁ。帰ったら返してよ?
高橋優斗
ほんっとにごめんw
いや、よく気が回る優斗のことだ。

そんな私の様子を見て、少しでも気分転換できるように連れてきてくれたのかもしれない。





原因はわかってる。
今朝、いとこのすぐるからLINEが来た。
いとこ
今週末、東京行く機会あるからそっち寄るつもりだけど、なんか実家から持って来て欲しいものある?
すぐには思いつかなかった。
あなた
『特にはないよ』…と

送信しようとしたその時。

脳裏に鮮やかな記憶がきらめいた。





いとこのサッカーの試合に飛び入り参加してきた男の子。




私の、初恋。




さっき打ち込んだ文字を取り消して、新しい文面を、送信した。









高橋優斗
おおおッ!デケェ!これ絶対ホームランだわ!
横に楽しんでいる、楽しませようとしてくれている人がいる。



今はそれを気にするときじゃない。
あなた
わーやばいやばい!追いつかれるじゃん!
球場が熱狂に揺れてぐわんぐわんと鳴った。

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