1週間後 私は退院した。
幸い脳に異常が何もなくて、
予定通りに退院できた。
そのとき迎えに来てくれたのは家族と紫音 愛の他に
零くんが来てくれた。零くんは私の彼氏。
彼は中性的な顔立ちで先輩 後輩 同級生の女子に
好かれるほど。スポーツも万能でなんで彼が
私と付き合ってくれてるんだろ?と悩む時もある。
申し訳なさそうに零くんが謝る。
本当…優しくて私には勿体ないぐらい。
紫音は私を気遣って荷物を持ってくれた。
私の腕は一気に軽くなった。
それは紫音だけでなく零くんも私の荷物を
持ってくれたから。
紫音は首を横に振る。
ふたりに言われたらおとなしく従うしかないな(笑)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!