宗四郎が東方に帰ってから数日後
本拠地の関東本部から連絡が入った。
と言うのも、
どうやら東京の方で雑誌の取材と
国が主催する社交会に出てくれとの事…
私が不在の間は、小隊長複数名と副隊長が基地に残るという
御用達付きだ
ちなみに取材の件に関しては私だけという訳では無いらしく、
第3部隊隊長の亜白ミナと共演で出てくれとのこと。
まあ本部が言うなら仕方ない、渋々出向いてやるか…
…なんて言うのは建前で、本当は嬉しくてしょうがなかった
と言うのも私とミナちゃんは、私が隊長になった時から
プライベートでも友人として交流を持っている唯一の仕事仲間
そんな彼女と久々に会える唯一の機会だ
そう思い、遥輝に相談したところ…
との事なので、留守の間は遥輝に任せることにして
私は本拠地“有明基地”を目指して、お気に入りのバイクで
旅立ったのだった…
大阪から東京までの距離約500km、
早朝から出て約6時間の時間を使ってようやくたどり着いた
防衛隊本拠地“有明基地”____
東方師団である関東区域に来たからにはいつもの関西弁を
しまって、標準語を喋るように心がける
郷に入っては郷に従え、その言葉の通りにしておけば大方の問題は避けられるからだ
そんな事はさておき、バイクを止めてまずは長官室に向かおうと思い歩いていると、少し先にいる人物に目がついた
長身で、少し厳つい体格のあの人は確か……
そう思っていたら、その人物はこちらに気づいたらしく
ゆっくりと歩いてきた
久しぶりに会って早々、再会を惜しむ間もなく長官室に
案内してもらうために長谷川さんの後ろをついていく
その間、第1部隊の隊員達が長谷川さんに向かって挨拶をしているのを見かけるが
さすが精鋭部隊で実力主義なだけある
見かける隊員全員が身体の作りがまるで違うのだ
さすがあんな奴の元で育っているだけある…
なんて事を考えていたら後ろから急に大きな声が聞こえた
その声を聞いて後ろを振り向いた長谷川さんを見て、私も後ろを振り返る
振り返った先には眉間に皺を寄せて今にも怒鳴り散らかしてきそうな表情をした
第1部隊隊長“鳴海弦”がズカズカと歩いて来たのだ…
そんな会話を繰り広げて、言い合いを開始する2人
久しぶりに会ったはずの鳴海が全く変わらない様子なのを見て私が隊長になる前のことを思い出した。
私がまだ平隊員の時、当時の隊長の付き添いで第1部隊に
出張する事になり少しの間だけお世話になることがあった
その時に私と鳴海は初めて会った訳だが、正直あまりいい方ではなかった
隊長が長官と話すことがあるといい、私は待ってる間第1の訓練を見学させてもらう事になった
訓練をしている隊員達の輪から外れて一人座ってみているのが目立ったのだろう
そばで見ている私を見かけた鳴海が何を思ったのかこんな事を口走った…
なんて言おうとして、その場にいた長谷川さんに目の前でハリセンでドツかれていた記憶が懐かしいくらいだ
本当なら平隊員で勧誘されるなんてこと滅多に無いだろうが
私はまだ当時所属していた部隊でまだやりたいことがあったので丁重に断った
私が断った瞬間の鳴海の顔が怒っているのか驚いているのか、
とにかく複雑そうな顔で私を見てきたのを覚えている…
それからと言うもの今でも私を見かけては喧嘩を売られ買われをしている間に私と鳴海はある意味、因縁関係になっていった
とまあそんなこんなで私と鳴海はある意味最悪な
初対面になったのだった
懐かしい思い出に浸っているうちにどうやらあらかた騒動は
納まったらしい
そう皮肉ったらしい事を言うと少しだけ間が空いた隙に
長谷川さんに目線で合図して颯爽とその場を去った
一人取り残された鳴海がまた後ろの方で騒ぎ始めたが、
何を言っていたのか聞かないフリをして長官室に急いだ。
#_暇人の相手:11












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!