あなたがバンバンと俺の背中を叩く
口では悪い、と謝りながらも期待していた
もしかしたら告白してくんじゃないか…とか
やれやれ、と言いたげに椅子を寄せて
俺の課題を隣から覗き込む
髪が触れて柔軟剤の香りが鼻をくすぐった
特別、俺だけ。その言葉に今まで何回
振り回されてきたか分からない。バカ女だ
それを分かっててなお期待する俺はもっと
バカなのかもしれない
バチッと目が合う
っぶね、また1つ好きを重ねるところだった
勘違いだって分かってるのに。
コイツの一挙手一投足に目が行く
もどかしくて愛おしくて…
その姿にドキッとした。
あなたから誘ってきたくせに妙に
覚めた顔をしていた、から
期待だけなんていらない。
でもこの思いを伝える勇気は、今の俺にはない












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!