隅々まで探したが手がかりはなかった
誰かが先にこの部屋に入っていた?
何にもなかったような空間
なんなんだろ…
パリン
何かが割れた音
その音が部屋一面に響く
手からは血が出ているし
足元には割れた花瓶があった
不安でしかない
世界は残酷だ
誰か助けてとも言えない
ドアも開かない、窓も開かない
牢屋みたいな部屋で俺は
ダメだ、ポジティブな考えで行かないと
マイナスなことは考えないで
全てをプラスに考える
(ガタッ!!
何かがまた落ちた
急に口を塞がれる
誰もいないはず
(ドンッ)
確かに苦しいよ
この空間も…
世界も
この気持ち、彼に伝わってればいい
ただそれだけを…
伝えたかった……
それだけさ────────












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!