第4話

登校
74
2026/03/07 08:23 更新
針条律
勿怪と取引をするのは、学園の校則で禁止されています
律の言葉に、玲音は顔をしかめた。
黒鷺玲音
別にいーじゃん
勿怪
アメよこせ
勿怪は、玲音が放つ険悪な雰囲気をものともせず、飴をねだる。
八尋寧々
もっけちゃん。はい、これ
勿怪
うむ
寧々があげた、いちご味の飴を持って、勿怪は上機嫌にそこを去った。


取引に使う勿怪がいなくなってはどうしようもできない。


玲音はチッ、と短く舌打ちをして、飴をポケットにしまった。
律は満足そうにうなずき、今度は花子の方に向き合った。
針条律
花子さん。あなたが女子トイレに入ったという目撃情報が多数出ていますが、事実でしょうか?
突然の話題に、花子はきょとんとした。
そして、何をあたりまえのことを、というように花子は律を見た。
花子
俺、女子トイレにいる怪異なんだけど……
うわぁ……、とグールたちが引いた声を出した。


まだ一年生は入学して一ヶ月程度なので、花子が本当に女子トイレにいるとは知らなかったのだ。
針条律
それは、刑法130条の建造物侵入罪、迷惑防止条例違反、軽犯罪法1条23号に値します
つらつらと述べられた言葉に、花子は目を白黒させた。
花子
ヤシロ、この人何言ってるの?
八尋寧々
さ、さあ?私も法律詳しくないし…
律がもう一度口を開こうとすると一一
赤根葵
おはよう、寧々ちゃん
蒼井茜
うわぁ……一年グール揃ってるよ…
顔をしかめた茜と、にっこりと笑みを浮かべた葵が二人並んで歩いてきた。
花子
一番、頭いいんでしょ?この人の言ってること説明して
花子は茜に近寄って、律を指しながら言った。
蒼井茜
はあ?なんで僕がそんなことしなくちゃいけないんだよ
グールとなるべく関わりたくない茜は、眉間にシワを寄せた。
針条律
簡単に説明すると、貴方が女子トイレに入ることは犯罪だということです
花子
俺、トイレの花子さんっていう怪異なんだけど?
白波連
そもそも、なんで花子さんが男なんだよ……

蓮が、皆が思っているであろう疑問を口にした。


花子は清々しいほどの笑顔で言う。
花子
んー、性欲に負けた!
八尋寧々
さ、最低!
黒鷺玲音
ガチめにヤバい理由じゃん…
灰園翔平
なんで学園は見逃してるんだよ…
蒼井茜
……七番様、アオちゃんの半径5メートル以内に入ったら殺しますよ?
花子の言葉を聞き、茜は葵の目の前に立ち、威嚇するように花子を睨みつけた。
赤根葵
もう、茜くんったら、そんなことしなくてもいいのに…
葵は、頬に手を当て、こてんと首を横に倒した。


それを見て、茜は目をハートにさせて、ばっと自身の手を葵に差し出した。
蒼井茜
アオちゃん、今日も可愛い…!結婚して!
赤根葵
無理♡
灰園翔平
相変わらずだな……
翔平は、二人のいつも通りのやりとりに、呆れのため息をついた。


その翔平の頭によじ登った勿怪が言った。
勿怪
おい、おまえきょうもごはんよこせ
勿怪
よこせ
灰園翔平
はいはい…
八尋寧々
ご飯?翔くん、勿怪ちゃんにご飯あげてるの?
首を傾げる寧々に、翔平は首裏をかきながら言う言う。
灰園翔平
いや……作ったっていうか、一回勝手に俺の作ったやつ食われてさ
灰園翔平
そんで気に入ったみたいなんだ
八尋寧々
へえ、そうなのね!
花子
まさか、勿怪全員に作ってるの?
この学園にいる勿怪の数は、100は余裕で超えている。
灰園翔平
まさか、先着10匹までにしてるよ
……おい
そこに、違う声が入った。
作者
作者
花子くんが花子さんになった理由は公式のものです!けっして私が捏造したわけじゃないです!
作者
作者
今回は三葉が喋ってくれまーす
三葉惣助
噂ー?……司くんは校内でヤバいヤツって認識されてるみたいだよ
三葉惣助
まあ、あの司くんだしね…

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