第26話

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2025/11/22 02:00 更新

恋華ちゃんはその夜、保護者と一緒に病院に運ばれた。


医師が言うには「情緒不安定状態」。


警察からも話を聞かれたけれど、私は「脅されていた」とは言えなかった。





だって恋華ちゃんは悪い子じゃない。

私を大切にしてくれた友達だから。





ただ──歪んでしまっただけ。

(なまえ)
あなた
学校行きたくないな……



春休みが明けた頃。

私はほとんど眠れないまま登校した。

クラスはざわついていた。噂も飛び交っている。


クラスメイト
クラスメイト
恋華、精神科だってよ

クラスメイト
クラスメイト
やっと離れてくれて良かったじゃん

クラスメイト
クラスメイト
あいつ、ずっとあんたのことつけ回してたんだろ?


みんなの勝手な言葉に、胸がギュッと締め付けられる。














私のせいで恋華ちゃんが壊れたのに
















放課後、担任に呼び止められた。




先生
先生
今後、恋華さんとは関わらない方がいい。
彼女のためでもあるんだよ










分かってる。

だけど、心のどこかで拒否していた。

私は恋華が居ない毎日が耐えられなかった。





数日後


制服のポケットに、小さく折りたたまれた紙が入っていた。

震える指で広げる。


『親友でしょ?会いたいな』

知らないはずの学校のロッカー番号。

放課後私はその場所へ向かった。



向かうとロッカーが少し開いていた。

そっと扉を引くと──中にはスマホが入っていた。


着信

画面には『非通知』
女子生徒
女子生徒
出て
背後から声がした。

振り返ると恋華ちゃんが立っていた。



髪は乱れ、病院のリストバンドがまだ手首に残っている。

息を切らしながら、泣きそうな顔で笑っている。
(なまえ)
あなた
ごめんね……本当にごめんね…。
また一緒に居たくて……
私は1歩近づいた。


話さなきゃ。伝えなきゃ。
(なまえ)
あなた
恋華ちゃん、私は──
嬉野 恋華
嬉野 恋華
ねぇ、やっと2人きりだね

恋華ちゃんは制服のポケットからナイフを取りだした。

その刃先が、私の喉元へ。
嬉野 恋華
嬉野 恋華
あんたが居なくなれば、
樹音先輩と付き合えるのに

震える声で恋華ちゃんが囁く。










嬉野 恋華
嬉野 恋華
親友なんでしょ?










その言葉に、私は答えられなかった。







心の底から湧き上がったのは、恐怖なんかじゃない。














私のせいで恋華ちゃんはこうなったという後悔だった。



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