「貴方には審神者になってもらいます」
「……は?」
突然、黒いスーツを纏った集団に拉致され、辿り着いた先で言われたその言葉。意味がわからない。
「……一般市民を政府の奴らが誘拐……ね。こんなのが上に立っているとか、この国は終わってるな」
目を鋭く尖らせる。足を組み、肘掛けに肘をつき、ガラ悪く体勢を崩す。こういう奴らには正論を言っても通じない。権力で、圧力で、こちらを屈服させてくる。それならば、相手を気負させ、怯えさせ、怒らせ、判断力を鈍らせろ。自分に有利な立ち位置を作れ。
「なんだと!!?」
「落ち着け!!」
「私たちは政府の者です。貴方みたいな一般人なんかとは比べ物にならないくらい高い地位にいるんですよ。それに、誘拐した事実なんていくらでももみ消せる」
「貴方に拒否権はない。こちらの手筈通り、審神者になっていただく」
もっと。
「図星を突かれたからって怒るなんざ、子供と同じだな」
「こいつ……!!」
「拒否すればするほど、不利になるのは貴方だ」
もっと、もっと。
「へぇ……不利…ね」
「こちらは貴方の家族や親戚まで全て把握しているんです」
「確か、貴方の親戚に最近子どもが生まれたらしいですね。これがどういうことかわかりますか?」
もっと、もっと、もっと。
「その人達が危険な目に会うのは嫌でしょう?」
「こちらはすぐに消すことだってできるんですよ」
………。
「……訴えるぞ」
「いくらでもどうぞ」
「政府の私たちと一般人の貴方。どちらを信じるかなんて明白でしょう?」
「証拠なんてものはないですし」
「お前に残されてんのは審神者になる道だけなんだよ」
「まぁどっちみち、お前の知り合いは全員消すけどな。アッハハハ」
…………………。
「何も話さなくなったな」
「あんなに自信満々だったくせにカッコ悪ィ」
「静かになっていいじゃないですか。ほらさっさとつれて――――――」
『……一般市民を政府の奴らが誘拐……ね。こんなのが上に立っているとか、この国は終わってるな』
「は?」
「お前何言ってんだよ」
「私はなにも…」
『私たちは政府の者です。貴方みたいな一般人なんかとは比べ物にならないくらい高い地位にいるんですよ。それに、誘拐した事実なんていくらでももみ消せる』
「お、おい。何言って」
『貴方に拒否権はない』
『拒否すればするほど、不利になるのは貴方だ』
『こちらは貴方の家族や親戚まで全て把握しているんです』
『確か、貴方の親戚に最近子どもが生まれたらしいですね。これがどういうことかわかりますか?』
『その人達が危険な目に会うのは嫌でしょう?』
『こちらはすぐに消すことだってできるんですよ』
『……訴えるぞ』
『いくらでもどうぞ』
『政府の私たちと一般人の貴方。どちらを信じるかなんて明白でしょう?』
『証拠なんてものはないですし』
『お前に残されてんのは審神者になる道だけなんだよ』
『まぁどっちみち、お前の知り合いは全員消すけどな。アッハハハ』
顔を真っ青にして、震えながらこちらを見る役人共。滑稽だな。
「な、なんで」
「おい!荷物チェックはしっかりしたって言ってただろ!?」
「持ってたものは全て回収したし、ボイスレコーダーも回収した!ほらここに……ってない!?」
ボロを出しているのにも気付かない、哀れな犯罪者たち。俺に口を開かせなかったら、こんなことにはならなかったのに。これも全て、彼らのおかげだな。視線を移した先にいるのは人ならざる者たち。
「助かった。くしゃ武者、バクロ婆、ぶんぶん鳥、ありがとう」
「………さて」
俺の言葉に体を揺らす役人。ニヤリと口角を上げる。
「お話し合いと、いこうじゃないか」
楽しい時間の始まりだ。
その腕には、一つの時計が鈍く、光を放っていた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。