少し前に潰された殺連支部近くで、
椿冴は紫色の血の海の中心で立ち尽くしていた。
彼の横顔は笑いながらも寂しそうな顔をしていた。
そうため息をつく彼の前に、
大柄の男、ORDERの豹が現れた。
椿冴は少し考えるような仕草をしたあと、嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「ガキ」
その言葉に、椿冴はさっきまで楽しそうに
ニコニコさせていた顔を、不機嫌そうに歪めた。
足元に毒が発生し、床が少し溶けている。
不敵に笑う椿冴。
それに対し、仏頂面で額に青筋を浮かべながら
豹は問いかけた。
椿冴は答えた。
さも当たり前かのように、何食わぬ顔で。
椿冴の瞳の奥には、僅かな哀しみがあった。
目を伏せがちにして話す彼の姿は、
豹には泣いている子供のように見えて仕方がなかった。
椿冴はそう言って無邪気に笑った
椿冴はヒラリと手を振って姿を消した。
その場所には微かにツンとした、でも何故か甘い匂いが
残っていた。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。