撮影の為訪れたショッピングモールでの予想もして無かったハプニング。

真っ暗なエレベーターの中に閉じ込められた僕達。
あるのは頼りないスマホの明かりのみ。

大好きな市川くんと一緒だから大丈夫だって自分に言い聞かせて耐えてたけど、どれだけ待っても来ない助け。

そんな極限状態の中で、僕の頭を優しく撫でてきてくれた市川くん。
それがトドメだったんだろう。

恐怖と不安で限界を超えていた僕の感情は、優しくされた事で決壊して、とうとう僕は泣いてしまった。

そんな僕を優しくあやし続けてくれた市川くん。
そして…


思い出しただけでも悶えてしまう。
そんな僕とは裏腹に、隣に居る市川くんはいつも通りの涼しい顔をしていた。

『続きは俺の家で…ね？』

その言葉を聞いて市川くんに着いて来てしまった僕。
キスだけでも爆発しそうになってたくせに、自分でも馬鹿なのって思うけど、だって好きなんだもん。
あの続きなんて言われたら期待しちゃうじゃん。

ドキドキしながらもお邪魔させて貰った市川くんの部屋。
僕の荒地みたいな部屋とは違って凄く綺麗だし、市川くんの匂いが充満しているから、尚更ドキドキしてしまう。

何で来ちゃったんだろうな…僕の馬鹿ぁ…
なんて思いながらも、チラッと市川くんを見てキュンと鳴ってしまう胸。

初めてこの想いを自覚したのはいつだったんだろう？
もう、思い出せもしないくらい前な気がする。
でも、結局何も言えないまま数年が過ぎちゃって…

あんな事をしてきて、あんな誘い方をしてきたって事は、市川くんも僕の事…
そう思うとソワソワして仕方が無い。

不意にこちらを見てきた市川くん。
ぶつかった視線にドキッと跳ね上がってしまう心臓。
心臓はバクバク鳴ってて爆発寸前なのに、大きな瞳から目が離せない。

「何？」

「いや…その…何でも…」

「嘘だ、さつき俺に何か言う事あるでしょ？」

そう言って少し顔を近付けて来る市川くん。

後ずさりしたけど、僕の動きに合わせて市川くんも距離を詰めてくる。
結局ソファーの端まで追い込まれた僕は逃げられなくなってしまった。

「さつきの口から聞きたい…こっちは何年も待ってんだよ」

まさかの発言に跳ね上がる心臓。
何となく、市川くんもって期待はしていたかど、何年も…なんて言われるとは思っていなかった。

勘違いじゃないよね…？
言って良いんだよね？
待ってるって事は…
僕が告白すれば、受け入れてくれるって事だよね…？

じっと見つめてくる瞳とぶつかったままの視線。
ずっとドキドキ煩い心臓。
震えてしまう唇。

でももう今しか無い。
そう思った僕は覚悟を決めて口を開いた。

「ずっと…市川くんの事が…好きでした…」

思い切って告げた想い。
頭も回ってくれないし、声も震えてしまったけど、これが爆発寸前な僕の精一杯の告白だ。

「でした…？過去形？」

「違…っ！その…今も、好きで…」

「じゃあどうしたいの？」

「…ふぇ？」

「俺の事好きなんでしょ？俺とどうなりたいの？」

更に距離を詰めてくる市川くん。
もうぶつかりそうな距離にある市川くんの顔を見つめたまま、僕は言葉に詰まってしまった。

ちゃんと言わなきゃ。
ここまで言ったんだから、伝えなきゃ。
そう思っても言葉が出て来てくれない。
もう頭の中はぐっちゃぐちゃだし、心臓も破裂しそうだし訳分かんないよ。

「………僕と…付き合ってください」

見つめ合ったまま結構な沈黙の後、ようやく絞り出せた言葉。
僕の告白を聞いて市川くんは満足そうにニヤッと口角を上げていた。

「よく言えました、えらいえらい」

そう言って僕の頭を撫でてくる市川くん。

「じゃあ、続きしよっか？」

「へ…？」

いきなり手を掴まれて、ベッドに強制連行された僕。
そのまま押し倒されるまで、本当に一瞬の出来事だった。

まだ頭の理解が追いついていかなくて、呆然としていたら、重ねられた唇。
唇を割って入ってきた舌に口内を掻き回されて、それだけでも異常なくらいドキドキしてしまう。

散々口内を掻き回されてやっと唇を離してくれたかと思えば、僕の首筋を甘噛みしてきた市川くん。
同時に服の中に潜り込んできた手。

「あっ、待って！」

市川くんの肩を押して止めれば、市川くんはじっと僕を見つめてきた。

「何？何で止めんの？」

「その…お風呂入ってないし…明るいし…恥ずかしくて…」

「うん、理由になってない」

そう言って僕の服を捲り上げてくる市川くん。

「あっ！待って！せめて電気消してくださいっ！」

「嫌だよ…何年我慢したと思ってんの…ちゃんと全部見せてよ」

恥ずかし過ぎて叫んだけど、逆にそんな事を言われてしまった。

僕だってそうだ。
何年も我慢した。
でも僕からの告白を待っていたであろう市川くんを、焦らし続けてしまっていたのも事実だ。

市川くんの発言を聞いて同じ気持ちだったって今日知ったけど…
でも知ってしまったからこそ、そんな事言われたらもう抵抗出来ないじゃん。

ゆっくりと市川くんの肩を押していた手を離せば、市川くんはニヤッと笑って僕の胸元に顔を埋めてきた。

「…っあ」

誰にも舐められた事の無い胸の突起をグリグリ舐め回されて、初めての感覚に反応してしまう身体。
恥ずかしいけど気持ちいいし、市川くんにされてると思ったらそれだけで興奮してしまう。

しばらく胸を刺激され続けて、脱がされてしまった服。
もうしっかり反応してしまっている自分のソレが目に入って死ぬ程恥ずかしかった。

僕の服を剥ぎ取った後、すぐに自分の服も脱ぎ始めた市川くん。
徐々に露になっていく身体をガン見しながらドキドキしてしまう。

出てきたのはビックリするくらい大きくなっている市川くんのソレ。
大きなソレから目が離せなくなっている僕の身体を舐め回す様に見つめてくる市川くん。

そこで自分も裸な事に気付いて、咄嗟に恥ずかしい所を隠したけど、市川くんはそれを許してくれなかった。

手を退けられて、強制的に開かされた脚。
恥ずかしい所をじっと見つめてくる市川くん。
もう両腕は自由なのに、隠そうともしない僕。
恥ずかしいのに何だかんだじっと見られて興奮している僕がいる。

「さつき、ごめん…俺結構余裕無いかも」

「…へ？うわぁっ？！」

いきなり僕のお尻にしゃぶりついてきた市川くん。
そんな所誰にも舐められた事無いし、絶対汚いのにその刺激にすら反応してしまう身体。

「ぁ…っやだ…っ汚いからぁ…っんんっ」

激しく舐め回して舌をグリグリと捩じ込んで来る市川くん。
多分本当に余裕が無いのだろう。
刺激されてる間も熱い吐息がずっとぶつかってきている。

「ぁあっ！や…っ、」

舐め回されたソコに挿れられた指。
同時に僕のソレも咥えてきた市川くん。
しゃぶられながらお尻も弄られて凄く恥ずかしいし、お尻の違和感も凄いのに、初めての感覚に高まる興奮。

大好きな市川くんに犯されてるって思ったら嫌でも感じてしまう。
段々気持ち良くなってしまう身体。

前は勿論気持ちいいんだけど、お尻がゾクゾクし始めちゃって、我慢の仕方が分からない。

「ぁっ、あっ！待って！出ちゃう…っ！！」

市川くんの頭を押した時にはもう遅かった。
イきそうって思った瞬間イっちゃった僕。

市川くんは僕のソレから口を離して、ゴクッと喉鳴らした。
ゴックンされたら事に気付いて一気に熱くなる顔。

僕のお尻をぐちゃぐちゃに掻き回しながら、ニヤニヤしたまま僕を見つめてくる市川くん。

恥ずかし過ぎてしばらく顔を覆ったままいたんだけど、何か徐々にまた気持ち良くなってきたしまった。

触れられてないのにまた元気になっちゃってる俺のソレ。
唾液を追加しながら僕の中をぐちゃぐちゃに掻き回す市川くん。

市川くんにされてるって興奮が大きいのは確かなんだけど、何かお尻きもちいいかも…

「ぁ…っ、あっ！ん…っ、は、あ…っ」

自然と漏れてしまう声とガクガク痙攣してしまう身体。
よく分かんない初めての感覚に襲われながらも、僕は必死に耐えていた。

散々掻き回されて指を抜かれたと同時に押し当てられた硬くて熱いモノ。
そのままゆっくり腰を進めてくる市川くん。

物凄い圧迫感に耐えながらも、ただじっと市川くんを見つめる。
少し苦しそうに顔を歪めている市川くん。
不意にこちらを見てきたその眼はまるで肉食獣みたいだった。

見つめられただけでドキドキ跳ね上がる心臓と何故か疼いてしまう身体。
挿いってくるソレの感触にゾクゾクしてしまった。

「ぁ…っ無理…っあっ！」

指じゃ届かなかった所まで挿いってきたソレに刺激されて跳ね上がってしまう身体。

ゆっくりと引き抜いてまた腰を打ちつけてきた市川くん。
その刺激にまた身体が跳ね上がった。

「待って…っあっ！ゃ…っダメっ！」

奥まで突き上げられる度に襲ってくる得体の知れない感覚。
自然と漏れてしまう声と込み上げてくる涙。

「もしかしてお尻気持ちいい？」

的確な市川くんの問いかけに頷いた。
確かに圧迫感や異物感は凄いんだけど、それ以上にゾクゾクしちゃう。
相変わらず僕のソレも元気なままだし、多分この感覚は気持ちいいんだと思う。

「へー…気持ちいいんだ」

そう言ってニヤリと笑った市川くん。
僕の頭を撫でて、優しくキスを落としてきた後、僕をぎゅっと抱きしめてくれた。

その感覚に安心していたら、いきなり突き上げられて跳ね上がる身体。
そのまま凄いスピードで腰を振って来る市川くん。
あまりの激しさと突き上げられる度に襲ってくる得体の知れない感覚におかしくなりそう。

「あぁああっ！！ダメ！待ってぇえっ！！やぁああっ！！」

もう僕は市川くんにしがみついたまま、喘ぎ散らかす事しか出来なくなっていた。

ガツガツ突き上げられ続けて、ふわっとした感覚と共に一瞬真っ白になる視界。

気付けば市川くんの動きも止まっていて、市川くんのソレは僕の中でビクビク痙攣していた。
お腹の中に広がっていく熱いモノ。
その感覚で徐々にハッキリしてくる意識。

僕の身体もずっとビクビク痙攣しているし、感じた事が無いくらい気持ちよかったのは確か。
でもイくって感覚どころじゃなかったから、訳が分かんない。

「ふぇ…？何…？」

混乱しながらも市川くんに問い掛けてみれば、少し身体を離して僕をじっと見つめた後、軽くキスを落としてくれた。

「ごめん、中出ししちゃった」

「うん…大丈夫」

「さつきもいっぱい出たね」

そう言われて確認してみれば、僕と市川くんのお腹は白い液体でベッタベタになっていた。

やっぱりイったんだろうけど、触れられて無かったのに出ちゃったなんて…

「お尻気持ち良かった？」

「うん…」

「じゃあもう1回する？」

「…へ？…うわぁっ！」

ポカンとしていたらまた打ち付けられた腰。
その刺激で跳ね上がる身体。
僕の反応を見てニヤッと笑っている市川くん。

そのまま腰を打ちつけてくるけど、何これ…
何か…さっきよりも気持ちいいんだけど…

「あっ！待って！ほんとにっ、ダメっ！」

「可愛い…」

ポツリと呟かれた言葉に跳ね上がる心臓。
同時にもっと気持ち良くなってきちゃった。

まためちゃくちゃに突き上げられて段々迫ってくるあの感覚。

結局僕は気絶するまで市川くんに犯され続けた。




小鳥のさえずりで覚めた目。

何か暖かいなぁ…
そんな事を思いながらゆっくりお目を開けて見れば、視界に飛び込んできた市川くんの顔。

一気に覚醒していく頭とバクバク鳴り始める心臓。
そっか…僕達昨日…

思い出しただけでもカーッと熱くなる顔。

市川くんの腕の中で1人悶えていたら、不意に市川くんが唸ってぎゅーっと僕を抱き締めてきた。
起きちゃったのかと思ったけど、違うみたい。

僕を抱き枕代わりにしたまま、すやすや寝息を立てている市川くん。
抱き締められたまま大人しくしている事しか出来ない僕。
でも頭の中はパニックだし、心臓だってずっとバクバクしてる。

でもじっとしているうちに段々落ち着いてきた。
何ていうか、抱き締められている感覚に安心する。

規則正しい寝息を立てている市川くんの感触に浸っていたら、僕まで眠くなってきてしまった。

今日は夕方からレッスンがあるだけだし、僕もこのまま二度寝してしまおう。
そう思って再び閉じた目。

結局僕達はそのままお昼まで爆睡していたんだけど…


「さつき、マジで大丈夫？」

「…ダメかも…」

何度目かの同じ様な会話。
トイレに座り込んだまま動けない僕と、僕の背中を擦りながり顔を覗き込んでくる市川くん。

まぁ市川くんの前で排泄なんて恥ずかしいんだけど、仕方が無い。
だって立てなかったんだもん。

目を覚ましたと同時に感じたとんでもない腹痛。
当然トイレに行こうとしたんたけど、僕は自分の脚で立てなかった。

その結果、市川くんにお願いしてトイレまで運んで貰って、今に至る。

「ごめん…俺のせいだわ…」

「うんん、大丈夫…うっ」

何度目かの波と同時にお尻から溢れ落ちていくほぼ水の様な何か。

「え？マジで大丈夫？病院行く？」

「いや…いい…」

「ごめんさつき…」

分かりやすくショボンとしている市川くんが可愛くて少し笑ってしまった。
まぁ笑ってる余裕なんて無いんだけどね。

お互い初めてだったし、長年の想いをぶつけ合う為に狂った様にヤリ散らかしていたから仕方ない。

でも僕達はこうして学ぶ事が出来た。
ヤリ過ぎない事と、中出し後はちゃんと掻き出さないといけないという事を。

長年の恋が実った後すぐの初行為。
その翌日はトイレとお友達なんて、本当に馬鹿みたいな話だけど…
何だかんだ市川くんはずっと僕に寄り添ってくれてたし、想いが通じ合ったから良しとしよう。

その後、当然僕達はレッスンに行く事が出来なくて、2人揃って怒られちゃったのはまた別のお話。

まぁあれからも市川くんから溺愛されてるし、幸せだから良いよね。




END.