耳をすませば聞こえてくる、小雨が地を打つ小さな音
一年中雨の振り続ける場所にある、不思議な……
雨で消えかけている文字を追いかけて、そう呟くと同時に、深い緑色のドアが薄く開く
暗闇の中から出てきた、1人の…
ギィッと唸り声をあげて閉められてしまった扉の前に、1人呆然と立ち尽くす
綺麗な白髪に、緑色と青色の瞳の…男…の子?
ドアの向こうから、先程出てきた人と同じ声が聞こえてくる
この建物の中に居るのは、あの子だけじゃないってこと…?
再び扉が開く
今度は建物の中が見えるくらいに、大きく開く
小柄でかわいい男の人
緑髪で、ぱっちりした黄色の瞳に、丸メガネをかけていて、まるで小動物…そう、例えばりすのような雰囲気の人が出てきた
そんな姿には合わない緑色の革の表紙の分厚い本を片手に、僕を建物の中へと案内してくれる
建物の中へ1歩踏み入った途端に感じる、どこか懐かしいような匂いと、暖かくて優しい雰囲気
そして一面に広がる、物凄い数の本
確かさっき、古本屋って言ってたような…
僕がずっと抱えて走ってきた、濡れてぼろぼろと紙くずが出てきてしまっている本
ここのどこかに、同じ本があるかもしれないし…
これだけたくさん本があれば、きっと見つかるはず












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!