冥龍会
廊下
南雲Side
朝、学生達が登校する時間。それはうちの組員やお嬢も例外じゃない。
お嬢に関してはまだ義務教育の途中だしうちの組員、三樹は遅刻の常習犯な所為で教師から目を付けられてる。厄介なことこの上ない。
まぁ、お嬢は文句を言わずに行ってるし問題ないんだけど…
東郷三樹、さっき言った遅刻の常習犯。
登校時間前になる頃に起きて焦っているクラスに1人は居る奴
桧山司、高校卒業してから組に引きこもっている所謂ニート。
世話係なのに世話されている男。やめてほしい
久瀬蒼真、俺と同じ大学に通う女人気の高い男。
ただ、本人は女が嫌いだそう。お嬢にはベッタリだが…
この通り、こいつらは俺に頼り切り。三樹はまだいい。蒼真と司は一人でできるだろ。全く……俺が世話するのはお嬢だけなんだけど…
そんな片想いカップルみたいなやり取りをしながら玄関を出ていった二人。残りは三樹だけど……本人はいつものことだからか呑気に朝ご飯を食べている。
三樹が遅刻する度に俺に電話が掛かってくるんだけど、そろそろ本気で怒らないと駄目かな
今日は早朝に会長が出たから俺達と数人の組員しか居ない。しかも、司が知らない奴と言うってことは他の組か、面倒な勧誘とか宗教とか
やっと遅刻寸前を自覚した三樹が食パンを口に押し込みばたばたと学校へ向かった。
俺は門前に居るという人物のもとへ向かった
車内
久瀬Side
いつものようにお嬢を車で送っている俺。
普通とは言うけど、喧嘩とか特別仲が悪い子が居るわけでもなさそうだ。二年前の俺なら口も聞かなかったしこんなこともしてなかっただろうな。
人生、何があるか分からないね
大方、俺達の引き抜きか会長への嫌がらせか。どちらにせよ関わりたくない。ああいうのを全部南雲君に任せてるけど南雲君大丈夫かな…
南雲君なら上手くやるだろうけど心配だな…
それで事故でもしたら俺が会長に斬られるし…
そんなことを話しているとあっという間に校門に着いてしまった。いつもながら俺達の車を見ると遠ざかろうとする生徒達。傷付くなぁ…
お嬢が車を降りて校舎の中に入るまでしっかり見た後、急いで車を退けた。行き先は南雲君のところ。多分だけど、面倒な奴らが来てるから早く加勢してあげないとね
冥龍会
客室
南雲Side
会長に用があると言って客室に連れてきたのはうちと長年交流のあり仲の悪い斎王組。うち…冥龍会の傘下にいる組の一つ。
会長は今不在。コイツらもそれを知っててこのタイミングにしたんだろう。ほんと、面倒だ
少し圧をかけるように睨んだとき、襖がサッと開いた。そこには怖い笑みを浮かべた蒼真が立っていた
にこにこと笑みを浮かべているが、これはお嬢のことしか頭にない。が……は組を抜けるようなことは絶対にしない。
コイツなりの仁義みたいなものなんだろう
蒼真の冷めた目で見られ怯えた斎王の幹部がゆっくりと帰っていった
俺はコイツらを任されたし、途中で投げ出すようなことはしないけど……自由すぎるのも考えものだな


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。