駿佑side
医者「治療のため、入院されることをおすすめします」
痛み止めが効いて、少し楽になってきたころ。
お医者さんの言葉を、どこか遠くに感じていた。
まさか、こんなことになるなんて、思っていなかった。
………入院、か。
つまり、アイドルでいられなくなる。
入院してもしなくても、心臓が悪いなんて、もう踊ったり歌ったりできひんに決まっとる。
悔しくて仕方なかった。
医者「入院の準備をしてもらって、できれば今日から入
院していただきたいです」
マネ「あの、活動って……」
ずっと黙っていたマネージャーさんが口を開いた。
医者「入院して、治療に専念していただきたいです」
『もうアイドルでいられない』
その重い現実を受け入れるのに、時間がかかった。
マネージャーさんが俺の家に行って、入院の準備をしてきてくれることになった。
その間に、車いすに乗せられて病室に案内された。
今日から入院やから、もう家には帰られへんみたい。
マネージャーさんが帰ってくるまで、みんな口を開かなかった。
マネ「はい、これだけあれば大丈夫かな」
道枝「…ありがとうございます」
マネージャーさんが来てからもしばらく沈黙が続いた。
マネ「あの………活動のことなんだけど、」
活動という言葉に、体が過剰に反応する。
マネ「……活動休止という形にするのは、」
『活動休止』
脱退よりは、そっちのほうがありがたい。
アイドルで居続けるのを諦めたわけやないから。
道枝「そっちのほうが、ありがたいですけど……」
マネ「……理由、どうする?」
病気のことを公表するのか、しないのか。
なにふぁむに嘘をつきたくない。
けど、心配はさせたくない。
道枝「体調不良だけ伝える形でもいいですか、」
マネ「うん、わかった」
明日、正式に発表されることになった。
俺が、活動を休止すること。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。