— ジフンside —
ありえない。
本当にありえない。
ニコニコ顔でスニョンが言ってきた。
あなたは密かに俺が想いを寄せる人。
でも別に向こうは俺に好意を示してこないし
俺も恋愛は苦手だから
別に普通に喋る関係って感じで
向こうから俺に急用がある時以外は
連絡すらしてこないのに。
なんでわざわざ....?
俺の作業室に.....?
今までメンバーとスタッフさん以外で
俺の作業室に入ったことがある人はいない。
その1人目があなたになるなんて考えられない。
考えるだけで幸せでいっぱいになる。
俺に?どうしていきなり?
いつもはサンダルだけど今日はスニーカーを履いて
暗い作業室を出て事務所の階段を降り
あなたを迎えに行く。
作業室まで案内して、ソファに座ってもらう。
近くにあるぬいぐるみを触ってニコニコ笑うあなた。
かなり心臓に悪い.....。
今時ぬいぐるみを持ってる男子なんて
気持ち悪いって思うのが普通だろ....。
片付けておくべきだった...。
素敵....?俺が....?
何かの間違いなのかそれとも現実なのか
もはやそれすらもわからないぐらいの次元にいる気がする。
今しかないと思った。
今までは恋愛が苦手って理由で片付けてきた言葉たち。
でも今は言わないといけないって思った。
男にならないとって思った。
NEXT
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。