第9話

9.
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2023/10/17 12:00 更新





恋愛なんて、俺とは無縁だと思っていた。
小さい頃から今まで、随分とチヤホヤされてきて、女という生き物に疲れた。

中 島 .
中 島 .
はぁ、死にたいな

別に人生には疲れていない。
けど、なんとなく、死にたかった。
この俺の気持ちを分かってくれる人なんて、いるはずが無い。
俺はもう、生きることに対して執着しなくなった。









高校に入学してからも周りに女が寄ってくる。
俺はいつのまにか、外部の音声をシャットアウトできる能力を身に付けていた。
我ながら天才だ。

中 島 .
中 島 .
ん?

でも1人だけ、全くもって俺に近付いてこようとしない女がいた。

佐 伯 .
……

窓の向こうを見つめるその横顔。
彼女の瞳は、今の俺と同じように、真っ黒だった。
それから佐伯に興味が湧いた。
こいつはきっと、俺の唯一の理解者だ。
それから毎日、観察して、どう近付こうか考える日々。






ある日ふと思った。
なぜ話したこともない人を、こんなに追いかけているんだろう、と。
俺は理解者が欲しかった。
最初はその気持ちだけだったはずなのに、今では彼女に俺を見つけて欲しいと思っている。
目と目を合わせて、私たち同じだね、って言って欲しかった。
それを想像するだけで、俺の心は救われていった。











佐 伯 .
はぁ、
佐 伯 .
落ちたら死ぬじゃん笑
佐 伯 .
いつ死ぬのかなぁ

まだ逝かないで、俺の理解者。
佐伯、君は俺の特別な人なんだから。


中 島 .
中 島 .
君、死にたいん?



俺は偶然を装った。



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