ーマンション、あなたの下の名前の部屋にてー
ピンポーン
スマホには明日から通う学校の詳細や注意事項などが送られてきていた
と、言いつつその場に留まり続ける星導くん。
どうしたものかと小柳くんを見送りながらチラチラと星導くんの方に視線を向けていると、視線に気づいたらしい星導くんがこちらを見てニコッと微笑んだ
はい、これ。と差し出されたのは紫と青のリボンが巻かれた白いプレゼント箱。
やけに、ズッシリとしている。
箱自体はそんなに大きいわけでもなく、かといって、手のひらサイズな訳でもなく、入ってるとしても化粧水とかヘアオイル一式とか、それぐらいだろうか。
ズリ……
今、私の気のせいでなければ箱の中身が少し動いたような……
こっちを見向きもせず、とてとてと帰っていってしまった……
ズリ……ズル……ドスッ……
気のせいじゃなければ。すごく。すごく箱の中身が蠢いている気がする。
いつまでも玄関前で立ち尽くしてる訳にも行かないので
仕方なくまだ家具の少ないリビングの真ん中に箱を置いた
ドン……ドスッ……ズル……ドンドン……
深呼吸をして覚悟を決めた私は勢いよくリボンを解いた瞬間、蓋が吹き飛び、箱の中身が私へと襲いかかった
ーマンション、星導の部屋にてー
ふとあの子の部屋から出てきた小柳くんの姿が脳に浮かぶ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!