-キルアside-
一通り飛行船の中も見尽くして、
暇になったからなんとなく窓辺に置かれたイスに座った。
「ちょっと先に行ってて〜!」
とか言ったくせに、
まったく帰ってくる気配が無い。
アイツなんか抜けてるし
迷子もありえるかと思ったけど、流石にないか
…
…んで…
なんでこんなに
アイツのこと考えてんだ?
…
…顔、洗お。
-あなたside-
しばらくヒソカのトランプに付き合わされて
やっと開放されたはいいものの、
2人どこいっちゃったのかな〜
かなり大きな飛行船だから、探すのも一苦労なんだよね
…なんて考えながら、ふと目線を上げると
少し先のイスに腰掛ける2人の姿が目に入った。
いや、本当に…返す言葉も無い…
自分でも殺されていないのが不思議なくらいだ。
ん〜…気のせいだったのかな
ゴンに手を引かれ、
勧められるまま窓から外を眺めた。
飛行船から見えた景色は、
無数の灯りが、まるで誰かが宝石箱をひっくり返したように散らばっていて
赤や金、淡い白の光が瞬いている。
ここからは、すべてが美しい模様にしか見えないけれど。
それから飛行船はゆっくりと進み続け、
街の灯りは次第に小さくなっていった。
-ゴンside-
飛行船の中を探検し終わった頃、
突然キルアがそう言った。
誰の事かなんてキルアは言ってないはずなのに
なぜか、あなたの事だってすぐにわかった。
もうその時には、オレの中で答えは決まってて
それが、当たり前のように感じた。
友達なら、いつか話したいと思ってもらえるような
そんな居場所を作ってあげられたらいいのかなって思ったんだ。
飛行船の外を見て、
キルアは頬杖をつきながら話し始めた。
キルアはフイッと顔を背けて
ポツリポツリと、こぼすように話し始めた。
そう話しかけようとした時、
嗅いだことのある匂いがして咄嗟に口を噤んだ。
少し遠くから、手を振りながらこっちに走ってくるあなたの姿が見えた。
今はまだ、この話はしない方がいいんだ。
だって、
𝐧𝐞𝐱𝐭➤〜 No.027 君は君 〜











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!