11年24日。
今日は、M!LK結成11周年。
朝から始まる11時間生配信の日だった。
私はこの日のために、有給を取っていた。
「よし!」
お気に入りの部屋着に着替えて、お菓子と飲み物をテーブルへ並べる。
スマートフォンも充電完了。
「今日は一日、ファンです!」
思わず一人で笑ってしまう。
もちろん恋人として応援する気持ちもある。
でも今日は、それ以上に。
何年も応援してきた一人のファンとして、この特別な日を楽しみたかった。
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生配信が始まる。
メンバー五人が揃って笑っている姿を見るだけで嬉しい。
「みんな楽しそう。」
コメント欄も大盛り上がり。
私は画面越しに何度も笑っていた。
お昼頃。
「次の企画はこちら!」
『リーダーを労りたい! 足つぼマッサージ!』
「あっ。」
思わず笑う。
「仁人くん頑張れ〜。」
画面には仁人くんと勇斗くん。
足つぼマッサージが始まった瞬間だった。
「痛っ!!」
「待って待って!」
「無理無理無理!」
大騒ぎする仁人くんに、私は声を出して笑ってしまう。
「ふふっ。」
「リアクション大きいなぁ。」
勇斗くんも隣で大笑いしている。
でも。
次の瞬間だった。
「えっ!?」
思わず立ち上がる。
足つぼの痛さに耐えきれず、仁人くんが首元のネックレスを外して放り投げたのだ。
「ちょ、ちょっと待って!!」
画面越しに本気で焦る。
「投げないでーー!!」
私まで叫んでしまう。
「それ……!」
それは。
私とお揃いのネックレスだった。
もちろん、配信を見ているファンはそんなこと知らない。
でも私だけは知っている。
仁人くんが毎日つけている、大切なネックレス。
思わず胸がざわつく。
その時だった。
画面の端で勇斗くんがさりげなくネックレスを拾い上げる。
何事もなかったように、自分の服ポケットへしまった。
「あ……。」
思わず安心してソファへ座り込む。
「勇斗くん……!」
ありがとう。
心の中で何度も呟いた。
その後も配信は続き、仁人くんは足つぼに悶絶。
勇斗くんは終始笑いながら見守っていた。
ポケットにネックレスを入れたまま。
「絶対返すタイミング見てくれてるんだ……。」
その優しさに、思わず頬が緩んだ。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。