第81話

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2026/07/15 05:00 更新


11年24日。

今日は、M!LK結成11周年。

朝から始まる11時間生配信の日だった。

私はこの日のために、有給を取っていた。



「よし!」



お気に入りの部屋着に着替えて、お菓子と飲み物をテーブルへ並べる。

スマートフォンも充電完了。



「今日は一日、ファンです!」



思わず一人で笑ってしまう。

もちろん恋人として応援する気持ちもある。

でも今日は、それ以上に。

何年も応援してきた一人のファンとして、この特別な日を楽しみたかった。




__


生配信が始まる。

メンバー五人が揃って笑っている姿を見るだけで嬉しい。



「みんな楽しそう。」



コメント欄も大盛り上がり。

私は画面越しに何度も笑っていた。

お昼頃。



「次の企画はこちら!」


『リーダーを労りたい! 足つぼマッサージ!』




「あっ。」



思わず笑う。



「仁人くん頑張れ〜。」



画面には仁人くんと勇斗くん。

足つぼマッサージが始まった瞬間だった。



「痛っ!!」

「待って待って!」

「無理無理無理!」



大騒ぎする仁人くんに、私は声を出して笑ってしまう。



「ふふっ。」

「リアクション大きいなぁ。」



勇斗くんも隣で大笑いしている。



でも。

次の瞬間だった。



「えっ!?」



思わず立ち上がる。

足つぼの痛さに耐えきれず、仁人くんが首元のネックレスを外して放り投げたのだ。



「ちょ、ちょっと待って!!」



画面越しに本気で焦る。



「投げないでーー!!」



私まで叫んでしまう。



「それ……!」



それは。

私とお揃いのネックレスだった。

もちろん、配信を見ているファンはそんなこと知らない。


でも私だけは知っている。

仁人くんが毎日つけている、大切なネックレス。

思わず胸がざわつく。


その時だった。

画面の端で勇斗くんがさりげなくネックレスを拾い上げる。

何事もなかったように、自分の服ポケットへしまった。



「あ……。」



思わず安心してソファへ座り込む。



「勇斗くん……!」



ありがとう。

心の中で何度も呟いた。


その後も配信は続き、仁人くんは足つぼに悶絶。

勇斗くんは終始笑いながら見守っていた。

ポケットにネックレスを入れたまま。



「絶対返すタイミング見てくれてるんだ……。」



その優しさに、思わず頬が緩んだ。

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