第73話

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2026/07/13 03:00 更新


温泉旅行から数日。

久しぶりのオフが終わり、仁人くんは朝から仕事へ向かった。



「行ってきます。」


「行ってらっしゃい!」



玄関で手を振ると、



「今日ちょっと長くなる。」


「うん。」


「帰ったら連絡する。」


「待ってるね。」



そう言って笑うと、仁人くんも優しく笑って家を出て行った。

その笑顔を見送りながら、私は自分も仕事へ向かった。








__


M!LKの楽屋。

リハーサル前。


メンバーが思い思いに準備をしている中、仁人はスマホで時間を確認する。

その瞬間だった。


「あ。」


勇斗がにやっと笑う。



「仁人。」


「ん?」


「待ち受け変わってるじゃん。」



その一言に、近くにいた舜太も覗き込む。



「あ、ほんまや。」


「……。」



仁人は慌ててスマホを伏せた。



「見るな。」


「いやいやいや!」



柔太朗がすかさず横からスマホを奪う。



「ちょ、柔太朗!」


「えーっと……」



画面を見た柔太朗が固まる。

そして次の瞬間。



「うわぁぁぁぁ!!」



楽屋中に響く声。



「何?」



太智まで集まってくる。



「見てこれ!」



そこに映っていたのは。

旅行先で浴衣を着て笑うあなた。

少し照れながら笑っている、あの日撮った一枚だった。



「じんちゃん。」



舜太が肩を震わせる。



「待ち受け彼女やん。」


「当たり前でしょ。」



仁人は照れながら答える。



「いや、当たり前なんやけど!」



舜太が爆笑する。



「旅行の時の?」


「……うん。」


「めっちゃかわいく撮れてるやん。」



仁人は少しだけ口角を上げる。



「だろ。」


「自慢か(笑)」



太智まで笑い出した。



「もう完全に彼氏やん。」


「前から。」


「いや、前よりひどい。」



勇斗が肩を叩く。



「こんなデレデレの仁人見たことない。」


「うるさい。」


「でも。」



舜太がスマホをもう一度見る。



「これあなたちゃん知ってるん?」


「いや。」



仁人は少しだけ悪戯っぽく笑う。



「内緒。」


「えぇー!」



柔太朗が目を輝かせる。



「じゃあ俺教えよ。」


「やめろ。」


「えー。」


「絶対怒られる。」


「怒るかなぁ。」



そう言いながら柔太朗はスマホを取り出した。



「送っちゃお。」


「柔太朗!」




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