ガラリと視界が切り替わる。
一面の闇。
僕以外、誰もいない。
さっきの傷も嘘のように無くなっている。
辺り一帯を包み込む呪力から、恐らく生得領域の中だろう、なんてことをぼーっと考えていた。
不意に僕を呼ぶ声。僕がずっと聞きたかった──
その一心で、僕は傑に手を伸ばした。
しかし、
その手は触れることなく弾かれた。
……今、何が起きてるんだ?
目の前で展開されている状況が理解できない。
口ではそう言ったが、頭の中で変に納得してしまった。
そうだ、確かにその通りだ。
俺が、最初に傑を置いていった。
俺が勝手に“最強”になってしまった。
その一言に、僕は頭が真っ白になって、その先何を言うつもりだったのか分からなくなった。
吐き捨てるように傑はそう言い、僕に背を向けて遠退いていく。
その言葉が僕から発せられることはない。闇に呑まれていく傑を、僕は必死で追いかける。
喉から絞り出した声で傑を呼ぶと、いかにも面倒だといった感じで傑は振り返り、去り際にこんな捨て台詞を吐いた。
ヒュッ、と喉から変な呼吸音がした。刹那、
憎悪、嫉妬、憎しみ。
羨望、期待、自己否定。
嫌悪、娼嫉、責任転嫁。
妬み、嫉み、──呪い。
全部、全部。僕を呪う言葉。
知ってたけれど、ずっと、見ないように、認めないように無視し続けた、呪いの塊。
お前のせいで
全部、お前のせいで
お前のせいでお前のせいでお前のせいでお前のせいでお前のせいでおまえのせいでおまえのせいでオマエノセイデオマエノセイデ!!
全部、お前のせいだ!!
居た堪れなくなって、僕は耳を塞いでその場に蹲った。
全身を駆ける灼ける様な痛み。心臓を掻き毟りたくなる様な不快感。僕への呪いが、黒板を引っ掻く様な音になって全方向から僕を襲う。頭に響く不協和音。
僕の意識はそこで途絶えた。
To Be Continued












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。