第3話

  . 2度目ましては必然で
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2026/02/03 10:43 更新








  その夜も、僕は同じ坂道を上っていた

  
  昨日のことが、どうしても頭から離れなかった


  あの言葉を、何度も反芻してしまう
  



  きっと意味なんて無いのだろう

  
  それでも、笑う横顔にかすかに滲んでいた
  少しの翳りを思い出すたび、
  冗談だとはとても思えなかった



  観測所の扉を開けると、やっぱり彼女はいた
 
  細い肩をすくめて、望遠鏡を覗き込んでいる



  僕に気づくと、彼女はぱっと笑った





 あ、昨日の人!! 
 また来たんだ~!!! 




knmc
 ……貴方こそ、今日も居るんですね 







  彼女は『まあね~~!!』と
  少しばかりのドヤ顔で言ってくる


  その後、
  ごくごく自然な動作で片手を上に持っていき
  星空の中で一際輝いている月を指差した




 ねぇ見て!!
 昨日は無かったのに今日はある! 





knmc
 当たり前じゃないですか ? 





  月は、静かに形を変えている




  彼女の声が、
  その違いを鮮やかに浮かび上がらせる




 でもさ、毎日違うんだなってさ!!!
 月も、星も!!
 勿論私も!!! 
knmc
 君も ? 





  突拍子もなく言われたその言葉に
  ただただ、オウム返しをしてしまった



 当たり前でしょ~!!
 昨日より絶対頭良くなってる! 





  笑い声は夜の静けさをほどいていく

  気がつけば、昨日より近くに座っていた




  会話は辿々しいけれど、
  沈黙は不思議と苦にならない

  月の光に照らされながら、
  僕らはただ時間を分け合っていた




  彼女が本当に「月になる」のかどうか、
  答えはまだ遠い




  けれど、只々くだらない話をする時間は
  日々の隙間で、夢の中のようなな非日常を
  しっかりと実感させていった








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