ここは横浜市街地___
何やら中年の男が慌てた様子で幼女と話している。
[エリス目線]
[服屋]

店を出てから、エリスは何処か遠くを見ていた。
会話はするものの、続かないのだ。
森がそのことに気づいていないわけがなく…
エリスが森の腕にしがみついた。
森はエリスの行動に動揺が隠せない。
森は久々のエリスからの可愛らしいお強請りに意気揚々としている。
美味しそうに頬張るエリスの顔を見て、森はまた優しく微笑んだ。
森はエリスの手を引く。
エリスは不意に引かれている手を見、その手を引く男を見た。
いつも出かける時は白衣に整えていない髪。見るからに冴えない中年といった風貌のこの男。
だが、エスコートをさせると、矢張り品格が見える。
エリスは周囲の人間を見た。
周囲はカップルだらけであった。
だが、エリスが思うに、この男ほどのエスコートをしている人間は見当たらない。
そして今一度男を見る。
しっかりとした服装をすれば、どんなイケメン俳優にも劣らぬ大人の雰囲気を醸し出す。
エリスがそっと握り返すと、大きくて安心感なある手がまたエリスの手を包むように握りなおした。
森がエリスの指差す方に目を向けた時、背後に気配を感じ森が振り返ると、金髪の髪がフワリと舞い、美しい幼女の顔が鼻先にあった。
その瞬間、森は前に顔を戻した。
未だに早く脈打つ鼓動を全身で感じる。
エリスからの指摘がなければ
危うく電柱にぶつかるところだった__。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!