第23話

番外編2・ 〃 
984
2024/11/01 15:00 更新



〈翌日〉



なかむ
あなたちゃーん!こっちきてー!!
(なまえ)
あなた
はーい?


自室で勉強中、ふとなかむさんに名前を呼ばれた。

少し早足でリビングに向かうと、

そこにはいろんな仮装をした皆さんがメイクやら仕上げならをしている最中だった。


(なまえ)
あなた
わ……皆さん、本格的ですね……!
スマイル
まぁ……な。
【もふもふっ】



!?動いた…!?!?




(なまえ)
あなた
す、スマイルさん……その耳と尻尾は…??
スマイル
あぁ、これな。本当はただの飾りでよかったんだけど…
スマイル
日常店の人たちが結構凝ったようで…



どうやら、皆さんの衣装は日常店の皆さんが用意したものらしく、

スマイルさんは、狼男の耳と尻尾を頼んだらしい。

しかし、かなりその魔具を凝って作った結果。つけた人物の感情によって動くことができるらしい。


正直、すごくもふもふで触りたい…



【ワフッ!】


(なまえ)
あなた
わっ!レト!
(なまえ)
あなた
レトも仮装してるんだ……ふっ、カボチャ…かわいい…
スマイル
なんだレト、俺に嫉妬しても意味ねぇぞ?
【ワフッ!ワフワフ!】


(なまえ)
あなた
(凄く意義ありそう…)





シャークん
あなた……
(なまえ)
あなた
シャークんさん…どうしたんですか…?眉間にシワが…
シャークん
メイクがムズイ
(なまえ)
あなた
あぁ……でも、凄くリアルにできてますよ…?
シャークん
そう。なかむがめっちゃ凝ってる。
(なまえ)
あなた
あ、あはは……お疲れ様です…





なかむ
あなたちゃん!よくぞおいでなさった!!
(なまえ)
あなた
なかむさん……え?ほ、ホントになかむさん…??
なかむ
?……あ、布か。よっと……はい!なかむです!



大きな布を被ったなかむさんの手には、いろんなメイク用品が握られていた。

因みに、皆さんの仮装は、

なかむさんが幽霊。

ぶるーくさんが黒猫。

シャークんさんはフランケンシュタイン。

きんときさんは吸血鬼。

スマイルさんは狼男。

きりやんさんは死神。


そして恐らく、私は今からなかむさんの餌食にされる………予感がする。





なかむ
そんな身構えないで?w
あなたちゃんはシャークんみたいにベタベタ塗りしないから!
































なかむ
よっし!こんなもんでしょ!!
(なまえ)
あなた
わ……顔色が悪い……
なかむ
そんな厚化粧してないよ??
(なまえ)
あなた
え?
きりやん
自分の顔色悪い事今気づきました???
(なまえ)
あなた
えっ………こんな悪いんだ…自分…
ぶるーく
無自覚???w



黒いローブに、黒いアイシャドウ。とてもダークな雰囲気が漂っている。

ただ、この時点ではなんの仮装なのかわからない。


なかむ
よし!じゃあコレをやってもらおう!!
(なまえ)
あなた
………カボチャ…??



なかむさんは頭ひとつ入りそうな大きさのカボチャと、いろんな器具を持ってきていた。

それらを無心で見つめていると、ぶるーくさんが説明してくれた。


ぶるーく
あなたちゃんの仮装はパンプキン!
ぶるーく
ジャック・オー・ランタンには厄除けとかの意味があるんだよ〜
(なまえ)
あなた
厄除け……
ぶるーく
そう!………まぁ唯一効かない奴もいるんだけど…


ぶるーくさんの言葉にハテナマークを浮かべる。

続け様にきりやんさんが説明を始めた。


きりやん
俺ら魔力を使う者はカボチャでランタンを作る時……
きりやん
“ジャック・オー・ランタン”を作るときは、
魔力を込めて本当の厄除けとして使うんだよ。



きりやん
ハロウィンは元々、あの世から先祖などのゴーストが帰ってくる日…
きりやん
でも、その中には悪霊、黒魔女とかの悪い連中も来るんだよ。
きりやん
そいつらから家を守る、あとは収穫を祝うためにも
ジャック・オー・ランタンは必需品ってわけ。
(なまえ)
あなた
ジャック・オー・ランタン…



そういえば、らっだぁさんが言ってたのも“ジャック”って……



なかむ
てことで、君に試練を与える。



なかむ
このジャック・オー・ランタンに、魔力を込めてみよう!







最初は込めるなんで良くわからなかったが……

無事、ごく普通のランタンが出来上がった。

コレのどこが魔具なのか……



なかむ
おぉ〜…!なかなか上手だね!
(なまえ)
あなた
でも………これじゃ普通のランタンと同じでは……
なかむ
おぉ良くお分かりで!
なかむ
実際にいろんな魔力を込めるのは中に入れるロウソクの方。
なかむ
このロウソクに、魔でできた炎を灯すんだ。
ぶるーく
念のため、ベリーの力を貸して灯してね。
【にゃぉう…】
(なまえ)
あなた
ベリー…!


なかむ
勿論、カボチャ自体にも想いは込める。
想いは時にカタチになって、本当に人々を守る……
なかむ
ただ、それだけで魔具を作るのは難しい。
だから、元々そう言うの専用のロウソクを今回は使う。



あれよあれよと、リビングの電気が消され、目の前の机に火の灯っていない蝋の塊が置かれる。

その向こう側にはベリーがじっ…とこちらを見つめている。まるで指示を待つように。






(なまえ)
あなた
………よし、力を借りるね、ベリー
【にゃぅ…!】



ぶるーく
この呪文を教えるね。ちょっと独特だから気をつけて…?



ぶるーくさんが耳元で呪文を教えてくれる。

一言一句、間違えぬように集中し、両手をロウソクにかざす。











(なまえ)
あなた
【悪しき者を遠くへと、弱きものに祝福を】……








(なまえ)
あなた
【彷徨う果ては永遠の道すじ、】……………





























(なまえ)
あなた
【“ジャック”の対にならん事を。】















ふと、手元がふわりと暖かくなった。





ぶるーく
ナイスぅ!大成功だよ!!
(なまえ)
あなた
…!で、できた…!!
なかむ
流石。かなり良い出来になってる…!



私は、皆さんから褒められながら、ふと同じことを考えた。









また出てきた。“ジャック”という言葉。

少し胸に、残ってしまった。



























(なまえ)
あなた
………もう夜か。そういえば、今夜はずっとこの仮装って言ってたな…



結局、なかむさんの用意したカボチャは、

先程灯したロウソクの炎から出た煙で浄化したらしく、

私はそれを被って完成らしい。


(なまえ)
あなた
………今夜ずっとカボチャ頭か……なかなか大変だな……



そう言ってベッドに座り込んだその時。

ふと外に小さな灯りが見えた。

良く見てみると、その光はフヨフヨと動き、ことらをじっと見つめているようだった。


そして私は、その光に………“彼”にこう言っていた。



















(なまえ)
あなた
…どうして、そんなに悲しそうなの…??




















少女が部屋から消えることに魔術師たちが気付くまで、

あと数分。







ハロウィンが終わるまで、

あとーーー1日。













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