〈翌日〉
自室で勉強中、ふとなかむさんに名前を呼ばれた。
少し早足でリビングに向かうと、
そこにはいろんな仮装をした皆さんがメイクやら仕上げならをしている最中だった。
【もふもふっ】
!?動いた…!?!?
どうやら、皆さんの衣装は日常店の皆さんが用意したものらしく、
スマイルさんは、狼男の耳と尻尾を頼んだらしい。
しかし、かなりその魔具を凝って作った結果。つけた人物の感情によって動くことができるらしい。
正直、すごくもふもふで触りたい…
【ワフッ!】
【ワフッ!ワフワフ!】
大きな布を被ったなかむさんの手には、いろんなメイク用品が握られていた。
因みに、皆さんの仮装は、
なかむさんが幽霊。
ぶるーくさんが黒猫。
シャークんさんはフランケンシュタイン。
きんときさんは吸血鬼。
スマイルさんは狼男。
きりやんさんは死神。
そして恐らく、私は今からなかむさんの餌食にされる………予感がする。
黒いローブに、黒いアイシャドウ。とてもダークな雰囲気が漂っている。
ただ、この時点ではなんの仮装なのかわからない。
なかむさんは頭ひとつ入りそうな大きさのカボチャと、いろんな器具を持ってきていた。
それらを無心で見つめていると、ぶるーくさんが説明してくれた。
ぶるーくさんの言葉にハテナマークを浮かべる。
続け様にきりやんさんが説明を始めた。
そういえば、らっだぁさんが言ってたのも“ジャック”って……
最初は込めるなんで良くわからなかったが……
無事、ごく普通のランタンが出来上がった。
コレのどこが魔具なのか……
【にゃぉう…】
あれよあれよと、リビングの電気が消され、目の前の机に火の灯っていない蝋の塊が置かれる。
その向こう側にはベリーがじっ…とこちらを見つめている。まるで指示を待つように。
【にゃぅ…!】
ぶるーくさんが耳元で呪文を教えてくれる。
一言一句、間違えぬように集中し、両手をロウソクにかざす。
ふと、手元がふわりと暖かくなった。
私は、皆さんから褒められながら、ふと同じことを考えた。
また出てきた。“ジャック”という言葉。
少し胸に、残ってしまった。
結局、なかむさんの用意したカボチャは、
先程灯したロウソクの炎から出た煙で浄化したらしく、
私はそれを被って完成らしい。
そう言ってベッドに座り込んだその時。
ふと外に小さな灯りが見えた。
良く見てみると、その光はフヨフヨと動き、ことらをじっと見つめているようだった。
そして私は、その光に………“彼”にこう言っていた。
少女が部屋から消えることに魔術師たちが気付くまで、
あと数分。
ハロウィンが終わるまで、
あとーーー1日。







![【🎤】悪魔と天使のふたりぐらし[完]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/1d831c74403abfecbe0102e7e70b345e5b04d9a1/cover/01JHEVWAXVWBF3K8ZCZBJ673XM_resized_240x340.jpg)




編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!