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椅子に掛けてあったズボンを履き、
ハンガーにかけてあったシャツを着る。
そして上着を羽織れば、
それだけで外出の格好になれる。楽で便利だ。
暇だからと先程送ったメールを確認すれば、
既読と共に了承の意図を込めたスタンプが送られていた。
既読早くね?暇なのかなコイツ、と思ったのは秘密だ。
外に出て鍵を閉め、
駅の方面へと歩き出す。
爽やかな空気と温かな太陽に照らされ
気分は自然と上がっていく。
昼だからか、ご近所さんは洗濯や買い物をしており、
何度か挨拶された。…勿論ちゃんと返している。
またもや背後を取られていた。
足音だとか気配だとか、そう云う類のモノを
全く感じなかった。
レイマリの得意分野なのか?
よく分からないが、予定の時間よりも
かなり早く集合してしまった。ちなみに今の時刻は10:30。
何やら小難しい事情があるらしい。
軽快な口調で話してはいるものの、
目の奥が笑っていない。追及するなと目が言っている。
…図星である。
そう、もし俺に何かがあった時、
陽菜を守ってくれる存在が必要になる。
闇バイトを始めた以上、同業から恨みを買って
何らかの形で陽菜に矛先が向く可能性だって有り得る。
そんな時、俺だけでは力不足なのは間違い無し。
戦闘や裏社会に詳しい知り合いを作っておくのは
今後の未来のためにも不可欠…だと思う。
コテンと首を傾げながら
違うの?と繰り返すレイマリ。
昨日会ったばかりで、遊ぶのは今日が初で、
極めつけに相手は殺し屋。
…友達なのか?コレ。
レイマリが手を差し伸べてくる。
握手か、と手を握り返すと
レイマリが手をブンブンと大袈裟に振ってきた。
少し、いやかなり痛かったが、
まぁいいか、とされるがままにしておく。
後日、レイマリは
まるでライオンに睨まれてるようだった、と語った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!