気が付けばそんなことを口走っていた 。
顔が熱い 。言ってからちょっぴり後悔した 。
何言ってんだろ私…!!
走り去っていく車を見送って 、家の中に入る 。
なんで名前 、呼んじゃったんだろう 、私…!
絶対困ってたじゃん 、署長!!
私は色々な感情を洗い流す為に 、今日はお風呂の
温度を少し上げてやった 。
湯船に浸かりながら 、署長にお礼のメッセージを
送ろうと思ってスマホを操作する 。
うーん…なんて送ろうかな 。
《 今日はご迷惑を… 》……って 、もう大丈夫って
言われたしな〜… 。えー…っとぉ…… 。
何度も何度も 、書いては消してを繰り返して
ようやく送信ボタンを押した 。
お風呂を出る頃にはヘロヘロで 、完全に
のぼせてしまったのは…ここだけの話 。
人通りもすっかり少なくなった大通り 。
赤信号になって 、ようやく一息つく 。
バカでかいため息が出た 。いや出したくもなるって 。
「 うちでお茶でも 」なんてさぁ 、それにどんな
意味があるかなんて 、分かってないんだよな 。
おかげでこっちは 、自分の理性保つのに必死ですよ 。
てか 、泣いてるとこも可愛くて 、守ってあげたくて
つい抱きしめちゃった…けどさ 。これって
もしかしてセクハラ?……やばすぎ?
………うわ 、やったわ 。引いてたらドーシヨ 。
ガシガシ 、と乱雑に頭を掻いては胸ポケットから
タバコを取り出して 、火をつける 。
こんなに取り乱した時はやっぱりヤニ補給だ 。
吸い込んだ煙を 、ふーっと吐き出すと頭が
スッキリしてくる 。
…ちょっと今日は 、慰めるためとはいえ
スキンシップしすぎた気もするから過度に
接触し過ぎないようにしねーとなぁ 。
家に着くと 、通知欄に「 あなた 」の文字が見えて
ドキッとした 。連絡先を交換した時の追加しました!
のやりとり以来のメッセージ 。
一旦荷物を置いて 、ソファに座って深呼吸 。
うわっ 、いい子すぎん?
えなんて返そう 。キモがられないいい塩梅の…… 。
たった1行 、《 次また頑張ろ! 》のメッセージと
お気に入りのゆるネコスタンプを送るのに 、
どれだけの時間が掛かったのか 、
君は知らないでいてほしい 。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。