_________結婚式場のとある庭園の一角
_______2人の少女が互いに向き合い紅茶を嗜んでいた
_________いや、茶を優雅に嗜む予定だった
※友人にシリアス小説見せて友人の顔を青ざめさせた人
こんにちは、元個人勢Vtuberの稲架乃あなたです
私はつい先程まで
パイ投げ会場と化した披露宴会場にいたのですが、
花園さんや警備員さんに連れられて
教会の中にある庭園に連れられたかと思うと
もるのき。さんが現れて現在一緒にお茶をしています
あぁ、ご紹介が遅れましたが
今私と共にお茶をしているのはもるのき。さん
普段はおちゃらけていて文字通りの陽気な方ですが、
時々寂しそうな目をさせる不思議な私の第二の母です
もるのき。さんはにこやかに笑いながらそう言った
そして机に並べられたお茶菓子を一つ手に取り、
口に運び目を細めた
もるのき。さんはお茶菓子の一つを上に掲げながら、
遠い昔を眺めるようなそんな目をしながら
優しく語り出した
もるのき。さんはそう言うと、
手に持っていたお茶菓子の一つである“クッキー”を
口に入れもぐもぐと咀嚼し意味深に言葉を紡いだ
“ あなた ”
私は春の花が咲き誇る桜の庭園を飛び出して
教会の廊下を駆け出した
まさか、まさか、そんなことがあるはずがない
そう思いながらも、私は涙を零しながら走った
でも、もしあの人たちだったら、、、!!!!!!
私はちょうど教会のとある場所に向かう道すがら、
偶々披露宴会場に入ろうとしていた方々に声をかけた
もし本当にあの人たちがいるならば、
そう淡い希望を抱きながら
私は教えてくださった皆様にお礼を言い残し
また教会の廊下を駆け巡った
私が過ぎ去った後、
現場が謎のKHAOSに包まれたことを私は知る由もない
私は教会を藤の色に染まったドレスで駆け巡り
旦那さんとの愛を誓った場へ舞い戻ってきた
走った後だからと言い訳の効かないほどに
胸の鼓動が大きく鳴り響いている
私は呼吸と心の中を整えて扉をゆっくりと開けた
春の陽気に包まれて
桜の花がどこからか入って舞う教会の中、
その人達は優しくあの時の姿のまま微笑んでいた
変わらない、あの時のまま
時はどれだけ流れても
どれだけ歳を取っても
どれだけ仲間が増えたとしても
どれだけ愛を注いでくれる人がいても
それがどれだけ幸せなことか分かっていても、私は
私は父と母の元に駆け寄り2人の胸の中に飛び込んだ
強欲にも2人の、お父さんとお母さんの
温かい言葉と甘えられる存在が
どうしようもなく私は欲しかった
私は大粒の涙を零しながらぎゅっと2人に抱きついた
暖かな春の陽気に誘われてやってきた幸せだった
私はずっと2人に言いたかった言葉を
ずっと2人と“あの人”に言いたかったことを
涙が溢れたままの笑顔でだが微笑みながら紡いだ
_________稲架乃あなたの結婚式の日
_____その日は桜が幸せそうに全国各地で舞ったそうだ
番外編🌿其の漆 おしまい
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。