第41話

Episode -36-
50
2026/01/25 06:10 更新



"Scorpio"
"Scorpio"
…うっ…っ……っく…;


"Sol"
"Sol"
…。



…。



…泣いてる。



真が…泣いてる。


"Sol"
"Sol"
…っ



刺されたみたいに痛い…。



苦しい…。



なんだろう…?



なんなのだろうこれは…。


"Sol"
"Sol"
…。



”さびしい”…か…。



…。



…ぎゅっ


"Scorpio"
"Scorpio"
……だれ…?
"Scorpio"
"Scorpio"
…おねえ…ちゃん…?



ただ虚を見つめて涙を流す弟を、

"Solソル"は両手で包みこんだ。


そして、口元を弟の肩にうずめたまま、

そっと瞳を閉じた。


"Sol"
"Sol"
…真。
"Sol"
"Sol"
真には…この世界・・・・にいて欲しくなかった。
"Sol"
"Sol"
…自分のいる…血に汚れた世界に…。



弟の視線の先には相変わらず何もない。


"Scorpio"
"Scorpio"
おねえちゃんっ…どこにいるの……?
"Scorpio"
"Scorpio"
…やっぱりお姉ちゃんは…ボクのことなんて…どうでも…
"Sol"
"Sol"
違う。



両手に伝わる力をぎゅっと強くしながら、

言葉を返す。


"Sol"
"Sol"
それは違うよ…真。
"Sol"
"Sol"
真、お姉ちゃんはさ…



” 解らないんだ ”


"Sol"
"Sol"
どれだけ人を救っても、どれだけ人を殺しても…。



”「自分の感情」というものが ”
"Sol"
"Sol"
そして恐らく、この先も解ることはない。
"Sol"
"Sol"
でも、真は違う。
"Sol"
"Sol"
だって…



” だって自分が母を殺したとき、真は… ”




……








神宮寺(母)
あ、…あぁ…



バタンッ…


神宮寺 唯
神宮寺 唯
 
神宮寺 真(過去)
…っ…うぅ…;
 
神宮寺 唯
神宮寺 唯
……。
神宮寺 唯
神宮寺 唯
(真…。)



……








"Sol"
"Sol"
真は…泣いていたから。



” お姉ちゃんとは違う ”


"Scorpio"
"Scorpio"
……おねえ…ちゃん…どこ…っ
"Scorpio"
"Scorpio"
ボクが…お母さんも殺せなかったダメな子だから…っ…
"Sol"
"Sol"
真はダメな子なんかじゃない。
"Sol"
"Sol"
真があの時できなかったのは…



それは、



” 真、貴方が優しい子だからなんだ ”


"Sol"
"Sol"
…だから、大丈夫。
"Sol"
"Sol"
お姉ちゃんは ”ずっとそばにいるよ”。

"Scorpio"
"Scorpio"
…っ!



その瞬間。



ピシッ…!



"Scorpioスコルピオ"の視界に映るものすべてに亀裂が入り —



パリィィィンッ!!



— 粉々に砕け散った。
"Scorpio"
"Scorpio"
……お姉ちゃん…?



"Solソル"はそっと両手を離すと

自分を見つめる弟を見つめ返して、


"Sol"
"Sol"
おかえり、真。



柔らかい声音でそう言った。


"Scorpio"
"Scorpio"
…おね"え"ぢゃぁぁあぁんんッッ…!うぅ…っ…
"Scorpio"
"Scorpio"
ずっどい"っっじょにいでぇ"え"ぇぇ…ッッ…!;;
"Sol"
"Sol"
はいはい、いるから早く泣き止みな。
"Scorpio"
"Scorpio"
う"わぁ"ぁ"ぁんッ……っ…!



少し離れたところから、ふたりを見守る姿があった。


"Leo"
"Leo"
なんだよ、こっちは大丈夫そうだな
"Aries"
"Aries"
そうですねっ
"Leo"
"Leo"
真のやつ、あんなに泣きじゃくってよ(笑
"Leo"
"Leo"
でもなんだかよかったな
"Aries"
"Aries"
真くん、泣いてるけどうれしそうですねっ!…
"Aries"
"Aries"



もう一人、ふたりを見守る、

いや、呆然と見ている姿が。



”Lyra”
”Lyra”
………は…?
”Lyra”
”Lyra”
”認識改変”が…解けたの…?
”Lyra”
”Lyra”
…真くん…が…あぁ…
”Lyra”
”Lyra”
あ"あ"あ"あ"あぁ"ぁぁぁぁぁぁッッ!!!



"Lyraライラ"は頭を抱えながら発狂した。

すると、それに応えるように…



♪~ギィィィンンンッッ!



耳をつんざくような異音が大音量で流れ始めた。


"Leo"
"Leo"
ッんだこの音は!!
"Aries"
"Aries"
うるさーいっ!!
"Leo"
"Leo"
唯!オレとゆめはこの人を連れて脱出するッ!
"Leo"
"Leo"
お前はどうするッ!!
"Sol"
"Sol"
…。



声のする方を向くと、そこには"Leoレオ"が立っていた。

腕には鬼龍葵の姉が抱えられている。



そうしている間にも、地下倉庫だった背景は、

出口のない密室、南国の砂浜、スクランブル交差点の中心、ビルの屋上、人気のない樹海…

目まぐるしく変わっていく。


"Sol"
"Sol"
自分はアイツを。



両手に纏う黒のグローブに一瞬目を落としてから、

"Solソル"は言い放った。

が、


"Scorpio"
"Scorpio"
…それはやめて、お姉ちゃん
"Sol"
"Sol"
なぜ?
"Scorpio"
"Scorpio"
あの人とは昔会ったことがあるんだ、さっき思い出した…けど…
"Scorpio"
"Scorpio"
あの人の”好き”って気持ちはぜったい嘘じゃないよ…!
"Scorpio"
"Scorpio"
だから…っ!
"Sol"
"Sol"
…。



どれだけ思案しても、

"Solソル"は、弟の真剣な眼差しを否定する気にはなれなかった。


” …優しい弟だ ”


"Sol"
"Sol"
…わかった。
"Scorpio"
"Scorpio"
ありがと! お姉ちゃんだいすきー!
"Sol"
"Sol"
…そういうのいいから、抱きついてくるな…!


"Sol"
"Sol"
ってことで道案内頼む。
"Leo"
"Leo"
おいおい、お前わかんねえのかよっ
"Sol"
"Sol"
知らん。
"Aries"
"Aries"
こっちが出口ですよっ唯ちゃん真くん!
"Scorpio"
"Scorpio"
よーしっ! それじゃーだっしゅつー!

"Scorpio"
"Scorpio"
(またどこかで会おうねっ…)











天女目 とよ
天女目 とよ
次回、「Episode -37-」もお楽しみに、ですよ~

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