“見てしまった”あの夕方から、胸の奥のざらつきが消えない。
ランニングを終えて寮に戻った俺は、シャワーを浴びても気分は晴れず、ソファに沈み込んだ。
最初に声をかけてきたのはやはりヒュニンだった。
ゲームを中断して、じっと俺の顔を覗き込む。
そう言うけど、声のトーンが自分でも分かるほど弱かった。
すぐ横で服を畳んでいたボムギュヒョンが眉を寄せる。
図星だった。
思い出すだけで胸がざわつく。
漢江の公園、オレンジ色の夕日。
あの子が、男と並んで歩いていた姿。
距離は近いし、笑い方も柔らかくて。
そして、その男があなたの下の名前に告白したってことも、表情でなんとなく分かってしまった。
逃げ場がなくなった僕は、軽く頭をかきながらため息をついた。
ああ、ほんと何してんだろう。
嫉妬も不安も言えないまま、心はぐちゃぐちゃのまま。
夕方のあの光景が、頭から離れない。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。