登場人物
晴が開けようとしていたエナドリを、
背後からぱっ、と奪い取る。
冗談じゃない。
何日休憩してないんだか。
晴と私は、養成機関に居た時代からの仲。
晴は研究者、私は祓魔師だけど、
当時から仲が良かった。
かれこれ、10年程の付き合いである。
そして、彼氏と彼女の関係でもある。
ばつが悪そうな顔をする晴。
最早、そろそろゲームを終わりなさい、
そう言われた子供のような。
こういう事が多いから、
本当に晴が、私の彼氏なのか?とか
思ってしまうけれど、
時々見せるかっこいい所に、
私は惚れたし、今でも惚れているのだ。
大好きなのだ。
寝室に向かう晴の背中をぼーっ、と見る
その時だった。
ずん、と重い雰囲気を感じた
やばい
反応が遅れた
魔が、晴の所へ向かっていた
ザシュッ──────
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!