私の名前はあなたの名字あなたの下の名前。
中也は私のことを"嫁"だなんて言うけれど。
別に正式に婚約したわけではない。
太宰さんがマフィアを抜けて、部下の私が中也と一緒に戦っているだけ。
……本当は何してるか知ってる。
フンと顔を背ける中也の目はほんのり紅くなっている。
また部下が死んだのかな。
人情に厚い中也が
何故マフィアになったのだろう。
理由は知らない。
部下が死ねば悲しんで涙を流すだろうし、私が傷付けば相手を許さない。
愛してるとは、云えない。
こんな私でも、中也は愛してくれる。
でもその愛情を、今は素直に受け取れない。
まだあの憧憬に、私の脳は支配されているから。
***
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中也がポートマフィアに居る理由は主も現段階では知りません←
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!