49年前、旧校舎
壱年参組
彼はただの物静かな少年だった
髪が白く、どこか儚い、少し触れるだけで消えてしまいそうな、美しい子だった
誰も気づかなかったんだ。
彼の "演技" が上手すぎたから、気づくことができなかった
バサバサバサッ
グシャグシャグシャッ!!
物を投げられ、汚され、時には凪沙自身を蹴り、殴り…
頬には常にガーゼが付くようになった
そんなのが1年も続いた。
彼は弐年生となり、いじめは収まると思いきや、むしろヒートアップした。
バサバサバサッ
それは凪沙がとても大切にしていた、病気の母からの
一通の手紙だった
ビリビリビリッ!!
ダッ!!
逃げ出した。
どうしてもあそこに居たくなかった。
居たら、もう耐えられなくなってしまう。
ドンッ!!
よく話をしていた学園長からですら逃げ出した彼は、
もうダメだった。
あの時、もし学園長が異変に気づけばまだ間に合ったかもしれない。が、
演技の上手い彼の異変に気づける者がいる訳がなく、
グシャッ、
無残に散ってしまった。
そして、まだ怨念が残っていた凪沙あなたの下の名前は、地縛霊として学園に残っていたが、
怨念が強くなりすぎたが故に
怪奇は噂の通りに動かなければ消えてしまう。
だから、そう動くしか無かった。
調査書No.2
凪沙あなたの下の名前の性別⇒男
拾弐時のナギさんの性別⇒なし
トラウマから性別が不詳になった模様。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。