2日後、俺は休みを経て小島くんと仕事。休みの間も、スマホを眺めてはあの日の誠也くんの横顔ばかり見ていた。
「何それ、そんなロケあった?」
ソファーに座る俺の頭上から小島くんにスマホをのぞき込まれて思わず画面を伏せる。そんな俺に眉を潜める小島くん。
「誠也くんと水族館?」
「いや、まあ」
「なんで歯切れ悪いねん」
そこだけ切り取れば可愛いもんやけど、と心の中で呟く。
「お前にはまだ早いんちゃう」
鋭い言葉に拍子抜けする。早いって何やねん。
冷静を保ちつつも核心突かれて伏せたスマホを握り締めた。
「俺も色々あってんけど、おすすめはしないわな。
そりゃ魅力的に見える。相手は大人やから。」
「珍しく最もやー、小島くんやのに」
「うるさ。」
「分かってますよ、小島くんがなんかあった事も。俺が本気で相手にされてへんのも」
小島くんは伸びをしながら溜息をつく。
「そういうお年頃か。まあ何事も経験やから。知らんで俺は」
たった2歳上なだけやのに小島くん。やけに信憑性あるんよね、こういうとき。
「嫌いやったらいいんすけどね、そうも行かへんしさ。難しいのは分かってるけど」
「んー、まあ、うん。そうやな。だいぶ拗らせてるやつやんそれ。」
「小島くんには言われたくないっすねー」
ポカっと俺の頭を軽く殴って、ドカッと俺の前のソファーに座ってくつろぎだす。
「小島くんすぐ拗ねたり、絶交するでしょ?それよりはマシやん」
「あーー、やかましいやかましい。俺の話ちゃうやん今。」
不機嫌そうに言えば真剣な顔で「いつでも魚に餌やってたら舐められんで。餌がたまにくるから食らいつきたくなる」なんて言うてる。
そんな後者の魚側を極めている小島くんの助言を片耳に、俺もまた溜息をついた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!